...木は長い間に皆な腐つて跡方も無く消え失せるので今日に残つて居るのは極く稀に玉製のものなどもあるが...
會津八一 「支那の明器」
...闇が消え失せるのを...
芥川龍之介 「神神の微笑」
...暫らくの後には消え失せる代りに今度は頭痛を感じはじめる...
芥川竜之介 「歯車」
...同時に消え失せる)王女 (手を打ちながら)ああ...
芥川龍之介 「三つの宝」
...たちまち尾をたれて消え失せるのである...
ピョートル・アレクセーヴィチ・クロポトキン Pyotr Alkseevich Kropotkin 大杉栄訳 「青年に訴う」
...それは自分とみじんのつながりも無くなってたちまち消え失せる「科学の幽霊」に過ぎないのだという事をも...
太宰治 「人間失格」
...そう云う疑念も立ちどころに消え失せるのが常であった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...また猿(ましら)のように樹上に消え失せることが出来たのだ...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「青玉の十字架」
...跡形もなく消え失せるだろう...
寺島柾史 「怪奇人造島」
...映像はすっかり消え失せることもあろうし...
豊島与志雄 「蔵の二階」
...その思い出さえもやはり消え失せるだろうということを...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...相手が外国人なるか自国人なるかの差までも消え失せるのである...
新渡戸稲造 「東西相触れて」
...一一須弥壇下の闇の中――手と手を取り合ったが、雪之丞、闇太郎、多言の場合でない――「外へ――早く! 宿へ戻るがいい」「かたじけない」外の気配を、じっと、うかがった雪之丞、ふたたび、引き戸をあけて、つい、一瞬に、すがたは、もう、消え失せる...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...破(わ)れればたちまち消え失せるはずだ...
南方熊楠 「十二支考」
...この怨みの脱け殻の鼓とその血統は今日を限りにこの世から消え失せるのだ...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...けれども直ぐに消え失せる...
夢野久作 「白髪小僧」
...それを私は消え失せるまで白眼(にら)み付けた...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...あやしげな恰好をした黒い影のなかへ消え失せる...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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