...暫らくの後には消え失せる代りに今度は頭痛を感じはじめる...
芥川竜之介 「歯車」
...そう云う疑念も立ちどころに消え失せるのが常であった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...所謂秀才教育からもその弊害が消え失せるだろう...
戸坂潤 「社会時評」
...芸術と人とは太陽にのみ込まれて共に消え失せるがいい! それらは太陽を見ることを妨げるのだ……...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...深遠な論理の声音が宙に消え失せると同様...
豊島与志雄 「蛸の如きもの」
...あらゆる物音が消え失せる...
豊島与志雄 「真夜中から黎明まで」
...いずれへか消え失せる...
中里介山 「大菩薩峠」
...根底より消え失せるかと問わば...
新渡戸稲造 「自警録」
...いつしか消え失せることは可能である...
波多野精一 「時と永遠」
...空間性の殘り香さへも全く消え失せる...
波多野精一 「時と永遠」
...全ての希望は消え失せる...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...鳩舎の方へ行けば――藁小屋が消え失せる...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...花がやがてはしおれて消え失せるべく...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「小フリイデマン氏」
...一一須弥壇下の闇の中――手と手を取り合ったが、雪之丞、闇太郎、多言の場合でない――「外へ――早く! 宿へ戻るがいい」「かたじけない」外の気配を、じっと、うかがった雪之丞、ふたたび、引き戸をあけて、つい、一瞬に、すがたは、もう、消え失せる...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...少しも動ぜず経を読んで引導を渡すと化物消え失せる...
南方熊楠 「十二支考」
...しかし夢は消え失せる...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...彼奴(あいつ)の手にかかって消え失せるちう話ぞ...
夢野久作 「斜坑」
...これで他殺の証拠も消え失せるし...
夢野久作 「暗黒公使」
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