...消え入るばかりの羞恥(しゅうち)を覚えた...
有島武郎 「クララの出家」
...「校長先生のお前にゐらつしやい」消え入るやうな声でT先生が仰云(おっしゃ)ひました...
伊藤野枝 「嘘言と云ふことに就いての追想」
...消え入るやうにわびを言つた...
太宰治 「火の鳥」
...単調な悲しげな節で消え入るように長く引いて...
寺田寅彦 「竜舌蘭」
...澄子は消え入るような叫び声を立てた...
豊島与志雄 「変な男」
...目前(まのあたり)この猛烈な咳嗽(せき)と消え入るような呼息遣(いきづかい)とを見ていると...
夏目漱石 「道草」
......
原民喜 「かげろふ断章」
...鉄舟寺老師の麻の腰に来て驚くやうに消え入る蛍この鉄舟寺老師こそ先にも云つた通りの...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...消え入るようなかすれ声だった...
アルジャナン・ブラックウッド 森郁夫訳 「秘密礼拜式」
...そこであなたが最初に聞くのは空から身を投げて砕けて落ちてくる小さい透明な数のボールが金属や石や水の面にあとかたもなく消え入る合図の言葉でせう...
三好達治 「測量船拾遺」
...渦巻き合いながら中空の暗(やみ)へ消え入ると...
夢野久作 「オンチ」
...雪や氷に消え入るばっかり...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...長く曲折しつつ(はる)か水平線の両端に消え入る白い砂丘の上に今は力なくその光を投げていた...
横光利一 「日輪」
...もう……」消え入るようにおののいた...
吉川英治 「三国志」
...消え入るごとく走りかけた...
吉川英治 「私本太平記」
...消え入るような自分であってはならないと」「ああ...
吉川英治 「私本太平記」
...消え入るような声で...
吉川英治 「治郎吉格子」
...「アラ!」と消え入るやうに驚き周章(うろた)へて小さな鋭い聲で叫んだが...
若山牧水 「姉妹」
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