...消え入るばかりの羞恥(しゅうち)を覚えた...
有島武郎 「クララの出家」
...消え入るような細い声で返事しました...
太宰治 「人間失格」
...消え入るほどの力弱い声であった...
太宰治 「母」
...消え入るような心地(ここち)になっていたのが...
近松秋江 「うつり香」
...私は消え入るような心地になってじっと堪えていたが...
近松秋江 「うつり香」
...遠く切れ/\に消え入る唄の声を侘しがったが馴れれば苦にもならぬ...
寺田寅彦 「嵐」
...単調な悲しげな節で消え入るように長く引いて...
寺田寅彦 「竜舌蘭」
...初夏の木立に消え入る余韻の美しさ...
野村胡堂 「法悦クラブ」
...消え入るような声で弁護士はきき...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...消え入るようなかすれ声だった...
アルジャナン・ブラックウッド 森郁夫訳 「秘密礼拜式」
...じつと見てゐると消え入るやうな寂しみが忍んでゐるのを多田君は感じ取つた...
北條民雄 「戯画」
...雲の消え入るようにやさしいすき間には...
宮本百合子 「結婚問題に就て考慮する迄」
...そこであなたが最初に聞くのは空から身を投げて砕けて落ちてくる小さい透明な数のボールが金属や石や水の面にあとかたもなく消え入る合図の言葉でせう...
三好達治 「測量船拾遺」
...消え入るように云った...
夢野久作 「骸骨の黒穂」
...雪や氷に消え入るばっかり...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...長く曲折しつつ(はる)か水平線の両端に消え入る白い砂丘の上に今は力なくその光を投げていた...
横光利一 「日輪」
...時計の歌の消え入るような余韻を腹に沁み透らせ...
横光利一 「旅愁」
...消え入るような自分であってはならないと」「ああ...
吉川英治 「私本太平記」
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