...消え入るような細い声で返事しました...
太宰治 「人間失格」
...消え入るほどの力弱い声であった...
太宰治 「母」
...消え入るやうにわびを言つた...
太宰治 「火の鳥」
...何かが――存在すると思うに違いない!」最後の言葉は消え入るように囁かれたのだが...
O. H. ダンバー O. H. Dunbar The Creative CAT 訳 「感覚の殻」
...消え入るような心地(ここち)になっていたのが...
近松秋江 「うつり香」
...単調な悲しげな節で消え入るように長く引いて...
寺田寅彦 「竜舌蘭」
...俊子はそれを聞いて「消え入るような思い」をした...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...消え入るように凡てがひっそりとなっていた...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...目前(まのあたり)この猛烈な咳嗽(せき)と消え入るような呼息遣(いきづかい)とを見ていると...
夏目漱石 「道草」
...消え入るような声で弁護士はきき...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...鉄舟寺老師の麻の腰に来て驚くやうに消え入る蛍この鉄舟寺老師こそ先にも云つた通りの...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...じつと見てゐると消え入るやうな寂しみが忍んでゐるのを多田君は感じ取つた...
北條民雄 「戯画」
...そこであなたが最初に聞くのは空から身を投げて砕けて落ちてくる小さい透明な数のボールが金属や石や水の面にあとかたもなく消え入る合図の言葉でせう...
三好達治 「測量船拾遺」
...八重は消え入るような声で...
山本周五郎 「日本婦道記」
...渦巻き合いながら中空の暗(やみ)へ消え入ると...
夢野久作 「オンチ」
...彼女はそれで消え入るばかりに恥かしかつた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...消え入るような自分であってはならないと」「ああ...
吉川英治 「私本太平記」
...燈火(ともしび)の消え入るばかり...
吉川英治 「源頼朝」
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