...ここでこんな気分に浸ることはめつたになかつた...
芥川多加志 「四人」
...選ばれたる者どもの恭敬に浸ることを歓び...
W・S・モーゼス William Stainton Moses 浅野和三郎訳 「霊訓」
...彼は彼自身で爽やかな気持に浸ることも出来た...
李孝石 「蕎麦の花の頃」
...途中湯田温泉に浸る...
種田山頭火 「其中日記」
...先づ湯田の温泉に浸る...
種田山頭火 「其中日記」
...……怠惰の安逸に浸る...
種田山頭火 「其中日記」
...十二時頃、樹明君来庵、旦へ行かうといふ、同行はSさんKさんたち(旦は、私の第二の故郷である、そこの鯛を食べ酒を飲むことは楽しい)、お仲間入したいけれど会費三円が出来ない、K店で借らうとしたが、月末でどうにもならないさうである、残念ながら参加中止、帰庵して、例の一本を傾けた、寂しかつたが、けつきよくは、よかつた、よかつた、酔ひました、ほろ/\とろ/\、そして湯田へまた参りました(Y店で壱円借りまして)、熱い湯、熱い湯、熱い湯に浸ると、身心が蕩けるやうに快い...
種田山頭火 「其中日記」
...と同時に泣くことの快感に浸るのである...
寺田寅彦 「自由画稿」
...その音楽のうちに浸ることに...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...更に考へますと同日は彼の關東大震災記念日でもあり國民一般が嚴肅な氣分に浸る日でもあるのでこの機に於て我國最初の經濟大衆車を大市場に送る事も何等かの意味ある事と思つてゐます...
豊田喜一郎 「乘用車發表に際して」
...丑の日の丑の刻に温泉に浸ると万病に特効があるといふしきたりから浴客に時刻を知らせたのである...
野口雨情 「大利根八十里を溯る」
...上院議員のモーリス・ベラールがバルトウ氏の家庭に入浸るようになってからのことである...
久生十蘭 「悪の花束」
...又同じ時の歌に 梅の実の黄に落ち散りて沙半ば乾ける庭の夕明りかな 山の湯が草の葉色を湛へしに浸る朝(あした)も物をこそ思へ などがある...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...そうして一種の宗教的気分に浸るということが慰めであるように感じられた...
三木清 「読書遍歴」
...その人々に日常性に浸ることと無条件肯定の誤りを誤ったところで...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...どんなにか人類は厚い幸福に浸るであろう...
柳宗悦 「朝鮮の友に贈る書」
...何故なら工藝の鑑賞に浸る時...
柳宗悦 「民藝とは何か」
...彼はかん子の來てゐることを意識してゐるだけでも今迄のやうに弛やかな氣持ちで湯に浸ることが出來なくなつた...
横光利一 「悲しみの代價」
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