...水に浸(ひた)せし椎茸(しひたけ)を大籠(おほかご)に一杯見せたれば...
芥川龍之介 「雑筆」
...一杯にその中に浸っていられそうです...
大杉栄 「男女関係について」
...しっとりと手のひらに浸み入るようだった...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...土中浸毒に因れる水脈の閉塞及び井水新鑿費増加...
田中正造 「公益に有害の鑛業を停止せざる儀に付質問書」
...夜道に歩き疲(くたび)れた私の肉体(からだ)を浸すようにそこらに籠(こ)もっていた...
近松秋江 「うつり香」
...風呂に浸(つか)っていると...
徳田秋声 「縮図」
...首まで浸(ひた)り居りぬ...
徳冨蘆花 「馬上三日の記」
...水の中へ棺を浸けるわけなのさ...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...大自然の夜気に浸しきった気持ちである...
豊島与志雄 「田園の幻」
...ゆっくりと温泉に浸った机竜之助...
中里介山 「大菩薩峠」
...水浸(みづびたし)に成(な)つた家(いへ)さは役場(やくば)から一軒毎(えつけんごめら)に下(さ)げ渡(わた)しになつたんだよ...
長塚節 「土」
...血肉に浸み透って皮膚のいろまで染っているという彼ら代々の古い感情であったかも知れない...
本庄陸男 「石狩川」
...それは今申したジャムカステラをベシン皿かあるいは丼鉢(どんぶりばち)へ並べてこのカスターソースの湯煎にしないのを掛けて二十分間置きますとソースがすっかりカステラへ浸み込みます...
村井弦斎 「食道楽」
...病原菌の浸入口はどこだか分からなかった...
森鴎外 「カズイスチカ」
...流れだす自分の血に顔を浸したまま呻(うめ)いていた...
山本周五郎 「さぶ」
...この傾向は現に西部日本にもドシドシ浸潤しつつある事を...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...」と云いながら由良の傍へずぼりと浸ったので...
横光利一 「馬車」
...だが夢と不安感が私を浸食し...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
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