...そこには若者の熱い涙が浸(し)み込んでいるのだ...
有島武郎 「或る女」
...あのように一部分は水に浸(ひた)します...
海野十三 「ふしぎ国探検」
...けっして水が浸入するようなことはない...
江戸川乱歩 「影男」
...枕もとのコップの水に浸しておいた...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...あるいはこれらの部分だけ油のようなものが濃く浸み込んでいたためにとろけないで残って来たのではないかと思ったりした...
寺田寅彦 「浅草紙」
...院長の祖母さんところへ入り浸っている義兄(あに)さんなぞも危いわけじゃないか...
徳田秋声 「足迹」
...もうその幻に浸ることが出来なかった...
豊島与志雄 「反抗」
...文鳥は軽い足を水入の真中に胸毛(むなげ)まで浸(ひた)して...
夏目漱石 「文鳥」
...道後(どうご)の湯に浸っているような気持であった...
火野葦平 「花と龍」
...入浴――雨の音をきゝ乍ら湯に浸ってゐる気分はいゝ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...その溪流に面した湯槽のなかに浸りながら...
堀辰雄 「馬車を待つ間」
...どうも温泉に浸りながらでは「マリエンバアドのエレジイ」のやうな切々とした詩は書けさうもないと思へるからである...
堀辰雄 「「浴泉記」など」
...指を深紅の金に浸し...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「幽霊島」
...首から上だけを出して湯に浸(つ)かっていたアリスは...
牧逸馬 「浴槽の花嫁」
...然し彼は此場合順当な男としての恍惚にも浸り得た...
牧野信一 「坂道の孤独参昧」
...悲しみが読者の胸に浸み込むような真実さで手紙は書かれていない...
宮本百合子 「一連の非プロレタリア的作品」
...肥えたる田畠を浸すがごとく...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...美しい偶像と音楽とのもたらす法悦に浸ることは...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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