...浸水(あか)をかき出したりした...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...それが彼の頭の中へまでも浸み透ってくるようだった...
有島武郎 「親子」
...あやまちて零(こぼ)したる葡萄酒(ぶだうしゆ)のなかなかに浸(し)みてゆかぬかなしみ...
石川啄木 「詩」
...雨浸(あめじみ)に浮び出でて朦朧(もうろう)とお札の中に顕(あらわ)れて活(いけ)るがごとし...
泉鏡花 「婦系図」
...丁度(ちょうど)A液がうまく浸みこんだ頃合(ころあい)を見はからって...
海野十三 「今昔ばなし抱合兵団」
...ゆつくり浸つてから...
種田山頭火 「行乞記」
...男女の仲の苦悶に深く浸つて...
田山録弥 「生滅の心理」
...そうしてただつまらない話のつながりをたどることの興味に浸っているように思っているのではあるまいか...
寺田寅彦 「映画時代」
...彼女が居ない淋しさに浸ることも出来なければ...
豊島与志雄 「反抗」
...全く時間の懸隔(けんかく)なく深くわが胸底(きょうてい)に浸(し)み入りて常に親密なる囁(ささや)きを伝ふる所以(ゆえん)けだし偶然にあらざるべし...
永井荷風 「浮世絵の鑑賞」
...平気な風にどぼりと浸(つか)った...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...大きい悲しみに浸(ひた)って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ながい間水に浸されてかちかちになり...
本庄陸男 「石狩川」
...輝いた明るさのみに浸り得た...
牧野信一 「坂道の孤独参昧」
...私は故意に「恋情」に浸つて見ましたが...
牧野信一 「砂浜」
...かくも深くかくも強く浸潤せる腐り縁のコンブの名は容易に改め得べくもない...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...首の根ぐらいまで水に浸(ひた)れば渉れるところもあったが...
吉川英治 「上杉謙信」
...水に浸(ひた)って...
吉川英治 「新書太閤記」
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