...單身を以つてフレムトなる力の中に浸入して行く時...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...味噌汁の身にするわかめを水に浸けるために...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...誰れも知らぬ秘密の喜びに浸っていたかったのでしょう...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...妾の処に入り浸ってしまいました」「川島さんもそれではあまりにあなたを踏みつけにした仕方です...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「あの顔」
...いかにも農家らしくお茶請けに菠薐草(ほうれんそう)のお浸しなぞを添えてくれた...
橘外男 「逗子物語」
...何しろそれは安物の紙風船が雨にぬれて色が浸み出したやうなぼんやりした斑(まだら)に染め上げられ...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...月に浸(ひた)されて生活する我儕(われら)も...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...ここはこの海岸にそうて三里のあひだ千尺二千尺ぐらゐのあざれた山脈から海のはうへ到るところ枝を出して無数の渓谷を形づくつてるその三つの枝のなかのひとつが根もとを水に浸蝕されて逆に楔(くさび)を打ち込んだやうなぐあひになつてるのである...
中勘助 「銀の匙」
...自然と浸(し)み出る脂汗(あぶらあせ)が不愉快(ふゆくわい)に人の肌(はだ)をねば/\させるが...
永井荷風 「すみだ川」
...男も女もごちゃごちゃに一つ所(とこ)に浸(つか)っているのが面白かったからです...
夏目漱石 「行人」
...この現實的なバツクの浸潤を加へる事によつて...
萩原恭次郎 「純情小曲集」
...いつごろのことなんだ」「終戦の年の四月八日」「なるほど……浸礼を受けたのは...
久生十蘭 「春雪」
...怒濤あれ狂ふ荒海の浸潤に備へてゐる...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...一二ヶ所位は物の浸(し)み透る隙間もあるんですがね...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...仰山御酒が浸みたるさかい...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...六米を水に浸し柔げて後(のち)に...
柳田国男 「木綿以前の事」
...山菜の浸しものや...
山本周五郎 「山彦乙女」
...五体から浸み上つて来た...
若山牧水 「木枯紀行」
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