...実際にそういうとき教授はほんとうの芸術家の気分に浸って演奏されるのでした...
石原純 「アインシュタイン教授をわが国に迎えて」
...もう一度(いちど)熱(あつ)い湯(ゆ)に浸(ひた)してぐいと拭(ふ)き上(あ)げて...
泉鏡太郎 「麻を刈る」
...防空壕(ぼうくうごう)という防空壕は水浸(みずびた)しになり...
海野十三 「地軸作戦」
...確かに暫く水浸しになっていたに違いはないが...
大阪圭吉 「カンカン虫殺人事件」
...原野浸毒に因れる茅葭の枯涸及び草屋葺料買入費増加...
田中正造 「公益に有害の鑛業を停止せざる儀に付質問書」
...そういう時に軒の雨垂れを聞きながら静かに浴槽に浸(ひた)っている心持は...
寺田寅彦 「五月の唯物観」
...それだけ国民精神の恩沢の浸潤は不公平なものと見える...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...ただ現在のうらぶれた無気力な気分に浸るばかりだった...
豊島与志雄 「立枯れ」
...その知識が実験室にも浸み込んで来ているのである...
中谷宇吉郎 「実験室の記憶」
...水だけ外側へ浸み出る...
中谷宇吉郎 「硯と墨」
...大地の髄(ずい)に浸(し)み込むまで降って歇(や)んだ...
夏目漱石 「虞美人草」
...冷たくて歯に浸みるので吐き出してしまふ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...簑の裾(すそ)を浸し...
本庄陸男 「石狩川」
...がつがつと吸い込まれ・広く深く浸みひろがる・空気はないのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...そうしてこの中に浸(ひた)る東京の上流婦人の中に...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...小生自身もまた前の頽廢期間の惰力から逃れ得ずに相手さへあれば二日でも三日でも酒に浸つて醒めなかつた...
若山牧水 「樹木とその葉」
...相顧みて苦笑しながら二人は屋根のない方へ寄つて手を浸してみると恰好な温度である...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...過去の学識をなげうってキリスト教的な愛の実践に浸り込んだパウロ・キョーゼンも山口から来ている...
和辻哲郎 「鎖国」
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