...徒(いたづ)らに一時の旗鼓(きこ)の勝利と浮薄なる外人の称讃に幻惑するが如き挙に出でしめば...
石川啄木 「渋民村より」
...それほど師弟の関係は浮薄な気がします...
上村松園 「絹と紙の話と師弟の間柄の話」
...調子に乗って浮薄な才能を振り廻していると...
太宰治 「女の決闘」
...浮薄な言動は、つつしみなさい...
太宰治 「新ハムレット」
...丁度科学偏重とか軽佻浮薄な思想とかいうような今日の支配者の用語が無内容で滑稽なように...
戸坂潤 「ひと吾を公式主義者と呼ぶ」
...彼らはフランス人のごとき喧騒(けんそう)浮薄な快活さを有しない...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...江戸ツ子的浮薄な皮肉とイロニイとで...
萩原朔太郎 「小説家の俳句」
...浮薄な生活もつづけて来たが...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...しかし落胆したからと言ッて心変りをするようなそんな浮薄な婦人(おんな)じゃアなし...
二葉亭四迷 「浮雲」
...生れつき流眄(ながしめ)を使う浮薄な...
宮本百合子 「アンネット」
...浮薄な言葉も出した人ではなかったのに...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...女王様はそんな浮薄な言葉にお動きになるような方がたではございません...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...薫がしいて近づいて来た時には妹を自分の代わりに与えよう、目的としたものに劣っていたところで、そうして縁の結ばれた以上は軽率に捨ててしまうような性格の薫ではないのだから、ましてほのかにでも顔を見れば多大な慰めを感じるに価する妹ではないか、こんなことは話として持ち出しても、眼前に目的を変えて見せる人があるはずはない、この間から弁に言わせてもいるが、初めの志に違うなどと言って聞き入れるふうがないというのは、自分に対して今まで言っていたことが、こんなに根底の浅いものであったかと思わせることを避けているにすぎまい、とこう考えを決める姫君であったが、少しそのことを中の君に知らせておかないでその計らいをするのは仏法の罪を作ることではあるまいかと、先夜の闖入者に苦しんだ経験から妹の女王がかわいそうになり、ほかの話をした続きに、「お亡(な)くなりになったお父様のお言葉は、たとえこうした心細い生活でも、それを続けて行かねばならぬとして、浮薄な恋愛を、感情の動くままにして、世間の物笑いになるなということでしたね...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...我々の思想の中に古代の最も浮薄な気分を注ぎこんだ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...おのれを知る者のためには死す――という侍の道からいえば、太閤殿下の恩顧をかざし、浮薄な人心へ、皷(こ)を鳴らすことだけでも――と、その決心の程は、さすがに、固いものなのである...
吉川英治 「大谷刑部」
...以後浮薄な慢心を慎(つつし)んで家来どもにも真の武芸を出精させいと! よいか!」ワッと逃ぐるを追って呶鳴りつけた...
吉川英治 「剣難女難」
...けれど浮薄な世態は...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...性慾の衝動に動く浮薄な男を描き...
和辻哲郎 「「自然」を深めよ」
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