...川や海で浮草を見かけた...
...季節外れの浮草が岸辺に打ち上げられていた...
...浮草が漁船のプロペラに絡み、船が進まなくなった...
...着物の柄に浮草をあしらったデザインが可愛かった...
...趣味で浮草展示会に参加した...
...意識の表面に浮草のやうに漂つてゐるのではない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...岸に近く、浮草にすがりて、一羽の蜻(とんぼ)の尾を水面に上下するを見る...
大町桂月 「層雲峡より大雪山へ」
...その古い藻草と新しい浮草とはまったく没交渉のものでありまして...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...多くは身を浮草の西東...
高山樗牛 「瀧口入道」
...小さい浮草が一面にくつついてゐた...
武田麟太郎 「反逆の呂律」
...――所詮、乞食坊主以外の何物でもない私だつた、愚かな旅人として一生流転せずにはゐられない私だつた、浮草のやうに、あの岸からこの岸へ、みじめなやすらかさを享楽してゐる私をあはれみ且つよろこぶ...
種田山頭火 「行乞記」
...またそこにある浮草も...
田山録弥 「あさぢ沼」
...流れにのった浮草だ...
豊島与志雄 「死ね!」
...その浮草にすがって一緒に押し流されることについて...
豊島与志雄 「死ね!」
...浮草稼業のものに根がついたほど嬉しいことはない...
中里介山 「大菩薩峠」
...水のなかの浮草は新しい蔓を張り...
原民喜 「永遠のみどり」
...役者ほど気楽で陽気な稼業はないとはいえ、実際は楽しみどころか、浮草人生の、いわば文無しだし、見知らぬ町なら借金もできないし、どっちみち胡散(うさん)臭い目で見られる...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「真劇シリーズ」
...離れつ即きつしつゝ漂つてゐる浮草のやうな生活の上にあつた私達には...
水野仙子 「道」
...やっぱりあの頃に二葉亭四迷が「浮草」ほどの心理描写をしたものが世に出て居たとすれば...
宮本百合子 「紅葉山人と一葉女史」
...浮草が波に揺られて遠い処へ行つて浮いてゐるのに...
森鴎外 「妄想」
...浮草のような生活(たつき)の中にも...
吉川英治 「私本太平記」
...弦之丞様、どこかへ当分の間、私の身を匿(かくま)っておいては下さいませぬか」「というても……」と、かれはいたく迷惑そうに、「この弦之丞自身すらが、流々(るる)に任す無住の浪人、定まる家もない境遇であれば、そなたをどこへ匿(かくも)うてあげる術(すべ)もない」「家がなければ、あなたの袖の蔭へでも、また定まらぬ旅とおっしゃるなら、浮草のように、その旅先へでもよろしゅうございますから」ふと、歩むともなく歩みだす人を追って、お米は懸命にいいすがった...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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若山牧水 「みなかみ紀行」
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