...気も浮立つ程嬉しかった...
伊藤左千夫 「守の家」
...お嬢さんとの会話で気が浮立っていたぼくは...
田中英光 「オリンポスの果実」
...自分の来たために一層浮立ったような連中を笑わせた...
徳田秋声 「あらくれ」
...その三は太く黒き枠(わく)を施したる大なる書院の窓ありてその障子(しょうじ)は広く明け放され桜花は模様の如く薄墨(うすずみ)の地色(じいろ)の上に白く浮立ちたり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...色と響と匂のみ浮立つ黄昏(たそがれ)の來るのを待つて...
永井荷風 「鴎外先生」
...色彩ばかり浮立つ幻覚に唯だどんよりと静まり返っているのです...
永井荷風 「監獄署の裏」
...柔い線をば浮立つばかり鮮かにさせて居る...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...花見時分の好天気に世間一体何となく浮立つてゐるので...
永井荷風 「来訪者」
...浮立つばかりその輪郭を鋭くさせていたので...
永井荷風 「霊廟」
...茂太郎の心が浮立って歩む足どりも躍るように...
中里介山 「大菩薩峠」
...浮立ってくる心理が...
長谷川時雨 「鬼眼鏡と鉄屑ぶとり」
...どうしても気が浮立たない...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...女達の心持は一層浮立ち...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...ポプラーの幹が何と黒々浮立って見えることだろう...
宮本百合子 「雨と子供」
...兵児帯の赤や黄色が清潔な床の上にくっきり浮立って見えた...
「一本の花」
...黄色や牡丹色の徽章ばっかりが灰色の上に浮立ち動いているのは...
宮本百合子 「上林からの手紙」
...急に夕日で紫色に浮立って見ているうちに...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...スタンドの灯のややほのかな逆光に浮立つ白さを眺めたり大いにたのしみました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
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