...自分も何だか気が浮立つて...
石川啄木 「雲は天才である」
...気も浮立つ程嬉しかった...
伊藤左千夫 「守の家」
...心が苛立ってるとも浮立ってるとも見えるのでありました...
豊島与志雄 「画舫」
...曇って風静まれば草の花蝶(ちょう)の翅(はね)のかえって色あざやかに浮立ち濠(ほり)の水には城市の影沈んで動かず池の水溝(みぞ)の水雨水の溜(たま)りさえ悉(ことごと)く鏡となって物の影を映すもこの時節である...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...と女中はてん/″\に浮立つゝ...
永井荷風 「上野」
...色と響と匂のみ浮立つ黄昏(たそがれ)の來るのを待つて...
永井荷風 「鴎外先生」
...色彩ばかり浮立つ幻覚に唯だどんよりと静まり返っているのです...
永井荷風 「監獄署の裏」
...柔い線をば浮立つばかり鮮かにさせて居る...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...花見時分の好天気に世間一体何となく浮立つてゐるので...
永井荷風 「来訪者」
...浮立つばかりその輪郭を鋭くさせていたので...
永井荷風 「霊廟」
...茂太郎の心が浮立って歩む足どりも躍るように...
中里介山 「大菩薩峠」
...私の心が浮立ないのは...
松本泰 「日蔭の街」
...ポプラーの幹が何と黒々浮立って見えることだろう...
宮本百合子 「雨と子供」
...兵児帯の赤や黄色が清潔な床の上にくっきり浮立って見えた...
「一本の花」
...浮立って首を動かすのではない...
宮本百合子 「餌」
...黄色や牡丹色の徽章ばっかりが灰色の上に浮立ち動いているのは...
宮本百合子 「上林からの手紙」
...白を浮立たせなければならないときがあります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
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