...自分も何だか氣が浮立つて...
石川啄木 「雲は天才である」
...お嬢さんとの会話で気が浮立っていたぼくは...
田中英光 「オリンポスの果実」
...自分の来たために一層浮立ったような連中を笑わせた...
徳田秋声 「あらくれ」
...曇って風静まれば草の花蝶(ちょう)の翅(はね)のかえって色あざやかに浮立ち濠(ほり)の水には城市の影沈んで動かず池の水溝(みぞ)の水雨水の溜(たま)りさえ悉(ことごと)く鏡となって物の影を映すもこの時節である...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...国貞の役者絵には彩色を施さざる白き地紙(じがみ)に人物を濃く浮立たせたるもの多し...
永井荷風 「江戸芸術論」
...色と響と匂のみ浮立つ黄昏(たそがれ)の來るのを待つて...
永井荷風 「鴎外先生」
...柔い線をば浮立つばかり鮮かにさせて居る...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...浮立つばかりその輪郭を鋭くさせていたので...
永井荷風 「霊廟」
...茂太郎の心が浮立って歩む足どりも躍るように...
中里介山 「大菩薩峠」
...浮立ってくる心理が...
長谷川時雨 「鬼眼鏡と鉄屑ぶとり」
...浮立つばかりのメロディが私を誘惑した...
原民喜 「童話」
...兵児帯の赤や黄色が清潔な床の上にくっきり浮立って見えた...
「一本の花」
...浮立って首を動かすのではない...
宮本百合子 「餌」
...黄色や牡丹色の徽章ばっかりが灰色の上に浮立ち動いているのは...
宮本百合子 「上林からの手紙」
...道具立てをもってそちらにも浮立ちます...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...白を浮立たせなければならないときがあります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...スタンドの灯のややほのかな逆光に浮立つ白さを眺めたり大いにたのしみました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
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