...浮世離れてのどかであった...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...浮世離れたこの一室は美耶子のあこがれの世界なのであろうか...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「和製椿姫」
...浮世離れし茅店に川臥して...
大町桂月 「房州紀行」
...浮世離れし物音に曉の靜けさ一入(ひとしほ)深し...
高山樗牛 「瀧口入道」
...世にも浮世離れのしたこの平和境へ...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...」「浮世離れてッて云う歌があるじゃないの...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...米塩に事を欠くほどに浮世離れはしていないのですから...
中里介山 「大菩薩峠」
...詩の方は却て浮世離れがして来るなぞといふことも...
中原中也 「詩と現代」
...浮世離れのした物すさまじさを感じさせるのでした...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...こんな時は雜魚(ざこ)を相手の方が宜いとか何んとか浮世離れのしたことを言つて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...目標を消す十一月×日浮世離れて奥山ずまい……ヒゾクな唄にかこまれて...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...快適な温度を保っている気密室のやわらかなクッションに凭れ、浮世離れのした、夢のような悠長な状態で展望している極地附近の風景は、禁慾的なカトリック教の地獄のようないかめしい様相を別にすれば、ただ荒涼としているばかりで、いかにも無味な眺めだった...
久生十蘭 「南極記」
...……手近で浮世離れしたなんてのはあそこ以外にはありませんな...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...もう少しコセコセしたところのない浮世離れた...
正岡容 「寄席」
...だがそれでも、万一肺だったとしたら――この新来の婦人患者は、今がんじょうな良人と並んで、かぼそくぐったりと、白い漆塗りの直線的な安楽椅子にもたれたまま、会話を追っているこの瞬間ほど、優しい気高い、浮世離れのした、そして非物質的な印象を与えることはできなかったであろう...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...浮世離れた創作に熱中していたために...
夢野久作 「眼を開く」
...浮世離れた悠長さにながしてゆく...
吉川英治 「大岡越前」
...ひどく浮世離れのしたいい気持になってその初対面の森源と話しこんでしまったのだ...
蘭郁二郎 「脳波操縦士」
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