...「それどころかい?」義雄は少しも浮いた氣になれなかつた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...血管の浮いた濁った眼で宇治はじっと高城を見つめていた...
梅崎春生 「日の果て」
...君がそんなにいうのは、あの豆潜水艇の中をしらべてみたが、どうしたら動いたり、浮いたり、沈んだりするのか、それがわからないので、僕たちをせめるのだろう...
海野十三 「豆潜水艇の行方」
...ふわふわと宙に浮いたのである...
江戸川乱歩 「影男」
...熱が浮いたやうに體(からだ)がもや/\する...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...遺産管財人が宙に浮いた金をどうしていいか途方に暮れているらしいそうですぜ...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「赤毛連盟」
...明るい室が宙に浮いたように見えるのである...
豊島与志雄 「椿の花の赤」
...コスモスの花は空に浮いたやうにふわり咲き出した...
長塚節 「教師」
...一度に日に浮いた...
夏目漱石 「永日小品」
...あの顏は忘れようたつて忘れられる顏ぢやねえ」「それから何うした」「漸く穴を拔けて龍の側へ浮いたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――見事な青錆の浮いた徑八寸ほどのが沈んでゐるのを見付けたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その代り私の死骸が、大川に浮いたら、せめて線香の一本も――とさめ/″\と泣くぢやありませんか」「餘つ程線香に憑(つ)かれて居るのだな、――それからどうした」話を茶にしながらも、平次の熱心さは次第に加はります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...雲は浮いたり走ったりするの?」「雲かい? さア...
林芙美子 「泣虫小僧」
...」酔っぱいものを食べた後のように歯がじんと浮いた...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...新鋳貨によって浮いた金銀を...
山本周五郎 「山彦乙女」
...浮いた浮いたの川竹(かわたけ)地獄...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...その兩面の中に浮いた自分に最も似つかはしい調和のポイントをとつて...
吉川英治 「折々の記」
...浮いた生活をしようとは思わない...
吉川英治 「宮本武蔵」
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