...その間に夫の魂はすっかり有喜子に浚(さら)われてしまっていたんですの...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「機密の魅惑」
...人気を取っていないように見せかけて人気を浚(さら)ってしまう...
谷譲次 「踊る地平線」
...二三日うちにあるお浚ひのことで行くと言つて家を出かけるとき...
徳田秋聲 「ある夜」
...今日も来て井戸を浚(さら)えてくれた...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...漠北(ばくほく)・浚稽山(しゅんけいざん)の麓(ふもと)に至って軍はようやく止営した...
中島敦 「李陵」
...浚稽山(しゅんけいざん)の山間には十日余留(とど)まった...
中島敦 「李陵」
...友人高森文夫の詩集、浚渫船が出た...
中原中也 「詩集 浚渫船」
...彼女は自分の弱点を浚(さら)け出すと共に一種の報酬を得た...
夏目漱石 「明暗」
...人の子を取るほど罪の深いものはないなア」錢形平次も妙に感傷的でした「女の子だけを浚ふなら解つて居るが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...この子を支那人(なんきん)が浚(さら)おうとして――」と...
長谷川時雨 「旧聞日本橋」
...浚渫船の横っ腹へ...
葉山嘉樹 「浚渫船」
...ペイドオフ(馘首)の食いたてなんだ」浚渫船のデッキから...
葉山嘉樹 「浚渫船」
...……非人寄場(よせば)の勧化(かんげ)比丘尼のほうも残らず浚(さら)いましたが...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...こんどは品川宿の入り口に網を張ってもどりの客の総浚(そうざら)い...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...この基督教国で大総帥(ゲトマン)からの上書を悪魔がかつ浚つて行つたなどといふ面妖な話は...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...「靴擦れで足が痛え――」ひょいと踞(しゃが)み乍ら力任せに為吉は刑事の脚を浚(さら)った...
牧逸馬 「上海された男」
...折あしく池の泥を浚(さら)えて居る処で...
正岡子規 「車上の春光」
...踰(こ)えて三年二月朔(ついたち)に小石川の堀浚(ほりざらへ)を幕府から命ぜられ...
森鴎外 「椙原品」
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