...絹を裂くような若い女の声に喧噪(けんそう)の渦巻の中にあったような流石の広告屋の爺さんも驚いてあとをふりむくと喫茶店の戸口へ馳けつけました...
海野十三 「三角形の恐怖」
...流石の法医学者も...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...流石の実業界の英雄も...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...流石の僕も舌を捲かないではいられなかった...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...この思いもならぬ逆手には、流石の明智も、張りつめていた気勢を、ヒョイと削(そ)がれた形で、ほんの僅かであったが、出足がおくれた...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...俺はまだ日本の警官達に捕まる程間抜けではない積りだよ」だが、流石の兇賊も、うしろには目がなかった...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...お揃いのソフト帽の下から、四つの無表情な金色の顔が、ボンヤリと見え、その三日月型の唇が耳まで裂けて、声のない笑いを笑っているのかと思うと、流石の名探偵、鬼警部も、ゾッとしないではいられなかった...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...流石の名探偵も少し焼(やき)が廻ったぜ...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...だが今は流石のルパンもそれどころではなかった...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...流石の斎藤老人も...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...流石の探偵小説家も...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...流石の私も、今度こそすっかり参って了いました...
江戸川乱歩 「黒手組」
...これには流石の女流作家も弱らされたが「私は聾や唖を好かないから...
薄田泣菫 「茶話」
...おれのとこでは、梶原剛氏に劇評たのんだのだが、どうです、あのおぢいさん涙を流さんばかり、オリガの苦悩を、この女優に依つてはじめて知らされた、と、いやもう、流石のぢいさん、まゐつてしまつた...
太宰治 「火の鳥」
...流石の文殊師利にも何うにもならないやうなすさまじい場景を幾つも幾つも展開してからである...
田山録弥 「くつは虫」
...T「巾着切のおじちゃん遊ぼうよ」これには流石の三次も面喰らった...
山中貞雄 「恋と十手と巾着切」
...支那(チャンチャン)一流の焦(こ)げ付くような真紅の下着の裾をビラ付かせながらジロリと使う色眼の凄かったこと……流石(さすが)のあっしも一ぺんにダアとなっちゃったんで……流石のだけ余計かも知れませんが...
夢の久作(夢野久作) 「人間腸詰」
...流石の我侭者の私も...
若杉鳥子 「職業の苦痛」
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