...流石に彼は私よりも強い心の持主であったからであろう...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...それに唾(つばき)を吐きかけたのは流石に皮肉哲学者の見(め)つけ物(もの)である...
薄田泣菫 「茶話」
...流石に見苦しく其を擧動に現はさなかつた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...「では荒れますね」流石にKもどきりとした...
田山録弥 「海をわたる」
...『まア……』『…………』窕子も流石に氣の毒で...
田山花袋 「道綱の母」
...遠慮深い小さな聲で云つて居るのであつたが流石に昨日の大宮の車夫とはちがつて...
寺田寅彦 「寫生紀行」
...妻は流石に避妊具は携帯しなかったようである...
外村繁 「澪標」
...流石に国民の輿望を負へる内閣も...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...流石に其時困るのは寢具である...
長塚節 「旅行に就いて」
...かうした小説嫌ひの僕であるが、それでも流石に、興味をもつて讀む作品もある...
萩原朔太郎 「芥川龍之介の追憶」
...書物と別れるのは流石につらかつた...
原民喜 「氷花」
...十一時すぎとなると川口も東も流石に黙ってもゐられぬと見え...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...内田は流石に適切な評をする...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...流石に夜の客はよく笑ふ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...流石にさまざまの變遷を物語るものがなければならない...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...小蒸汽の速力に全身の力をひったぐられて、流石に舵は重い...
山之口貘 「ダルマ船日記」
...流石にはっとしたらしかった態度でしたが...
夢野久作 「暗黒公使」
...埃りが通行人の顔に少しもかからぬところは流石にフランスだと思う...
横光利一 「欧洲紀行」
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