...世界人類の幸福のために大西洋の海底を歩くべきだ」この結論は容易に一つの穴に流れ込むことはなかった...
海野十三 「地球発狂事件」
...まだ戸締りのしてない庭からすうッと流れ込む冷めたい空気に萌黄(もえぎ)の麻の揺られるけはいが察せられる...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...その淵へ流れ込むところに懸(かか)っていた...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...神社や寺院の前に立つ時に何かしら名状のできないある物が不信心な自分の胸に流れ込むと同じように...
寺田寅彦 「丸善と三越」
...そして何物かが彼の方へ流れ込む...
豊島与志雄 「蠱惑」
...窓掛の縁から冷たい夜風の流れ込む開いた窓を一心に見つめていたが...
豊島与志雄 「月かげ」
...駿河境の方から出て富士川へ流れ込むのでございましょう...
中里介山 「大菩薩峠」
...読者の胸に流れ込むからです...
「木下杢太郎著『唐草表紙』序」
...さうして当来(たうらい)の念々(ねん/\)は悉(こと/″\)く刹那(せつな)の現在からすぐ過去に流れ込むものであるから...
夏目漱石 「点頭録」
...風に喰い留められた渦は一度になだれて空に流れ込む...
夏目漱石 「幻影の盾」
...近いところ筋違橋(すじかいはし)外と和泉橋(いずみばし)の御救小屋(おすくいごや)へ流れ込む人の数を見ねえ...
野村胡堂 「黄金を浴びる女」
...窓から河のように流れ込む潮風を吸っていた...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...熱風が流れ込むからだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「悪の帝王」
...其の鮮麗(せんれい)な淺緑(あさみどり)の影が薄ツすりと此の室まで流れ込む...
三島霜川 「平民の娘」
...酒も折々流れ込むからホントに溜(たま)ったものでない...
村井弦斎 「食道楽」
...あの清流に農薬が流れ込むため...
山本周五郎 「青べか物語」
...道路に満ちた群衆は露路の中へ流れ込むと...
横光利一 「上海」
...夕闇の部屋の中へ流れ込むのさへはつきりと見えてゐた霧はいつとなく消えて行つて...
若山牧水 「山寺」
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