...身うちに流るるかりそめの悲しみ...
薄田泣菫 「独楽園」
...何にも思ひ出せなかつた記憶が流るゝやうに呼び起されて来た...
田山録弥 「父親」
...腕より黒き血は流る...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...汝の傍(かたへ)おほいなる川流るゝも...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...あるは幾重の空のよそあるは幾重の嶺のうへかろく流るゝくれなゐはセラフ...
土井晩翠 「天地有情」
...千尋(ちひろ)の谷の底深く流るゝ川のみなもとはいづく幾重の嶺の雲玉ちる早瀬浪の音都の塵に遠ければ耳を洗はむ人も無く...
土井晩翠 「天地有情」
...如何に客観的の作品にしても必ずその底に流るる作者の主観が存するものと信ずる...
豊島与志雄 「作品の倫理的批評」
...西に流るるは笛吹(ふえふき)川となり...
中里介山 「大菩薩峠」
...北上川南部より流るる大河也...
中里介山 「大菩薩峠」
...颯(さっ)と野外に流るる月の色は...
中里介山 「大菩薩峠」
...流るる末は五本の指と分(わか)れるのであろう...
夏目漱石 「草枕」
...泥棒がん燈の丸い光の中に浮んだのは、何んと、緋縮緬(ひぢりめん)の腰巻一つになって、裸体になった女の立ち姿、それは全身水に光って人魚さながらの美女、蒼白い顔、肩に流るる黒髪、――それは凄艶(せんえん)にも、昇華(しょうか)し去りそうな美しい姿です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...流るる血潮を押えるように...
野村胡堂 「百唇の譜」
...その虚飾に流るるものはけっして交際の本色にあらず...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...ありし日の流るるような歌い調子を...
正岡容 「寄席」
...似田貝の村の外を流るる小川を鳴川(なるかわ)という...
柳田国男 「遠野物語」
...雪白な中に微かな青みを含んでくるめき流るゝ事七八十間...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...「春がすみ流るる」というごとき巧妙な表出が用いられる...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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