...愚圖々々せずに働いて苦しみの汗を流すのだ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...……(石本は眼を瞑ぢて涙を流す...
石川啄木 「雲は天才である」
...腹つくばひてその上に五月の蝶にさながらの笹舟を流す...
アルテュル・ランボオ 上田敏訳 「醉ひどれ船」
...殺害は罪悪中の最大罪悪にして、血を流すは、不祥中の最大不祥なり...
高木敏雄 「比較神話学」
...彼は涙を流すだろう...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...草の中に水を流す音をさせ始めた...
永井荷風 「或夜」
...島田虎之助先生は毒を盛られておなくなりになりました」「毒?」兵馬の渾身(こんしん)の血が逆流するかと見えました...
中里介山 「大菩薩峠」
...……」學務部長に隨喜の涙を流す吉田の姿が...
中島敦 「かめれおん日記」
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二葉亭四迷 「浮雲」
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正岡子規 「俳諧大要」
...『滑稽太平記(こっけいたいへいき)』といふ書(ふみ)に回禄以後鹿相成家居に越年して去年(こぞ)たちて家居もあらた丸太かな 卜養宝の船も浮ぶ泉水 玄札この宝の船は種々(くさぐさ)の宝を船に積たる処を画(え)に書(かき)回文(かいぶん)の歌を書添へ元日か二日の夜しき寐して悪(あ)しき夢は川へ流す呪事(まじないごと)なりとぞ...
正岡子規 「墨汁一滴」
...七雪之丞が、両手を膝のあたりまで垂れて、先き程、はからず難儀を救って貰った、礼を言おうとするのを、若い衆は押えて、「何の、太夫、――お言葉に及びますものか、一寸(ちょっと)一目見ただけでも、あの浪人者なんぞは、お前さんの、扇子(せんす)がちょいと動きゃあ、咽喉笛(のどぶえ)に穴をあけて、引っくり返るのは、わかっていたが、人気渡世が、初の江戸下りに、血を流すのも、縁起がよくあるめえと、持って生れた、瘋癲根性(ふうてんこんじょう)――つい飛び出してしめえやした...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...そしてまるで自分をその物語りの中に投げ込んで思うままに涙を流す事を楽しむんです...
宮本百合子 「現今の少女小説について」
...そして新制度が血を流す革命を防いだことを首肯するものは絶て無かつた...
森鴎外 「古い手帳から」
...毎朝半熟卵で涙を流す余命いくばくもない食いしん坊の老人のためにぜひ作って下さるまいか...
森於菟 「オフ・ア・ラ・コック・ファンタスティーク」
...もし茶祖が今甦(よみがえ)るなら随喜(ずいき)の涙を流すであろう...
柳宗悦 「民藝四十年」
...而(しこ)うしてその結果はまたこれを海に流す七日目よりも...
柳田国男 「年中行事覚書」
...千鶴子は湯を肩からかけ流す昔を立てていた...
横光利一 「旅愁」
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