...内に光があれば自ら外に洩れるに違ひない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...そしてこの恐ろしい事実の外に洩れるのを...
大阪圭吉 「坑鬼」
...それらのうえにまんべんなく小枝の交錯を洩れる陽が降って...
谷譲次 「踊る地平線」
...息がすう/\洩れると云う現状では...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...かすかな呻(うめ)きが洩れる...
中島敦 「斗南先生」
...微細な私といふ一人が人の視線に洩れることは當然のことであつたのでせう...
長塚節 「教師」
...それが羨(せん)道から洩れる薄明りで妙に底光りしている...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...一所にかたまつて水明(みづあか)りの洩れる窓の下に折り重(〔かさな〕)つたまゝ死んでゐたといふ...
夏目漱石 「文芸とヒロイツク」
...デッキへ洩れると...
葉山嘉樹 「労働者の居ない船」
...木の間がくれに洩れる六月の陽が汗を滲(にじ)ませた...
本庄陸男 「石狩川」
...木の間を洩れる月光のまぶしさをさへぎりながら...
牧野信一 「酒盗人」
...往生ぎわの悪い狼共だね……」木の間を洩れる月あかりにすかして見ると...
牧野信一 「山男と男装の美女」
...獅子の口から洩れる聖らかな水に口吻(くちづ)けする「凱旋の泉」として崇められたものである...
牧野信一 「山彦の街」
...家では町の者が石を投げてるというんだろう?いまさら外部に洩れるものじゃないかね...
三好十郎 「その人を知らず」
...十一月の夜をこめて 雪はふる 雪はふる黄色なランプの灯の洩れる 私の窗にたづね寄る 雪の子供ら小さな手が玻璃戸を敲く 玻璃戸を敲く 敲く さうしてそこに息絶える 私は聽く 彼らの歌の 靜謐 靜謐 靜謐...
三好達治 「雪」
...すべて秘密というものはその部分に働く者の慢心から洩れるのだと気がついたのはそのときの何よりの私の収穫であったであろう...
横光利一 「機械」
...わるくすれば鎌倉へ洩れる惧(おそ)れもある...
吉川英治 「私本太平記」
...上から洩れる話し声……銀五郎に多市...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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