...もう一度満足の吐息を洩らすと...
芥川龍之介 「老いたる素戔嗚尊」
...呻り声を洩らすとほとんど同時に...
芥川龍之介 「邪宗門」
...馬琴は著書の楮余(ちょよ)に私事を洩らす事が少なくないに拘わらず...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...自分の話をきいて微かにニタリと会心の笑を洩らす父の顔を思い浮べながら...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...全然無意識に洩らすのでないことは...
谷崎潤一郎 「細雪」
...隣りの室でメルキオルが将来の計画を洩らすのを聞いてしまった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...洩らすことはあったが...
直木三十五 「南国太平記」
...その足音を聞き洩らすような油断がありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...時どき悲観的な口調を洩らすというので...
牧逸馬 「アリゾナの女虎」
...つまらぬ不平は洩らすまいよ...
牧野信一 「山彦の街」
...他の一人この事洩らすまじと誓いしを忘れ言い散らし...
南方熊楠 「十二支考」
...しかもそれを洩らすことができないというような...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...声高く話す馬士(まご)どもの言葉を一句も聞き洩らすまいと腕を組み直し...
夢野久作 「名娼満月」
...一番初めに洩らす言葉が...
吉川英治 「折々の記」
...われ誤って天機を人界に洩らすの罪大なりと...
吉川英治 「三国志」
...門前町から沿道の露店(ほしみせ)やら大道芸人やら立売りなどまで、見洩らすまじと、人に揉まれ揉まれ、眼をくばり歩いているふうだった...
吉川英治 「私本太平記」
...クスクス笑いを洩らすと...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...またお十夜(じゅうや)にでもふん捕まってしまったのじゃねえかしら? ……」独(ひと)りごとを洩らすまでに...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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