...津々浦々到る処、同じ漁師の世渡りしながら、南は暖(あたたか)に、北は寒く、一条路(ひとすじみち)にも蔭日向(かげひなた)で、房州も西向(にしむき)の、館山(たてやま)北条とは事かわり、その裏側なる前原、鴨川(かもがわ)、古川、白子(しらこ)、忽戸(ごっと)など、就中(なかんずく)、船幽霊(ふなゆうれい)の千倉が沖、江見和田などの海岸は、風に向いたる白帆の外には一重(ひとえ)の遮るものもない、太平洋の吹通し、人も知ったる荒磯海(ありそうみ)...
泉鏡花 「海異記」
...なぜに津々浦々(つゝうら/\)まで語(かた)り傳(つた)へられ...
今村明恒 「地震の話」
...首都が雲南省のはずれのところまで移動したことについても津々たる興味をもち...
海野十三 「軍用鮫」
...実に興味津々(しんしん)たる人物だ」と歎息(たんそく)した...
海野十三 「蠅男」
...津々浦々に海の幸(さち)をすなどる漁民や港から港を追う水夫船頭らもまた季節ことに日々の天候に対して敏感な観察者であり予報者でもある...
寺田寅彦 「日本人の自然観」
...かつて私は津々たる興味と切実な同情とを以て読んだ...
戸坂潤 「読書法」
...広くもあらぬこの港の津々浦々は...
中里介山 「大菩薩峠」
...ロシアの津々浦々...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...俺は暇じゃねえ」興味津々だったが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...お前は思った以上に賢いぞ」フォスタが興味津々で聞いた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...わしのドロマイト弾(だん)の尻にぜんまいスクリュウを付けてあの岩を狙(ねら)うぞ」興味津々(きょうみしんしん)で見物人たちは小さなスクリュウ弾(だん)が海中を進むのを見つめた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「幽霊島」
...黒海を胯いで東方諸国へ――忽ちのうちに津々浦々までもひろまりました...
牧野信一 「歌へる日まで」
...若狭(わかさ)の津々浦々を売り歩いたのである...
森鴎外 「山椒大夫」
...交通の女王たる鉄道は何(いづ)れの津々浦々にも...
山路愛山 「英雄論」
...「これがもし津々井だったら...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...津々浦々に到るまで...
夢野久作 「白髪小僧」
...津々浦々の有志とか...
夢野久作 「爆弾太平記」
...津々浦々の青年の血へ響いて来た時には...
吉川英治 「宮本武蔵」
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