...俺は此等の自己肯定者、デカダン、弱者、游泳者、寄生蟲と自分とを等位に置くことによつて、僅かに俺の中に實現したる「眞理」を辱しめる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...けれども、犬が泳いでいた、月の中なら兎(うさぎ)であろうに...
泉鏡花 「悪獣篇」
...泳いで、泳いで、この水のやつと根(こん)くらべをしてやろうじゃないか...
江戸川乱歩 「大金塊」
...活溌(かっぱつ)にがたぴしといふ音すずし何事も人に従ひ老涼し八月九日 「玉藻五句集(第六十五回)」笑(え)みわれて泳ぎをる子は女の子つばくろの飛び迷ひ居(お)り霧の中八月十五日 句謡会...
高浜虚子 「六百句」
...まっぱだかで人喰い川を泳ぐだけのものじゃないか...
太宰治 「乞食学生」
...きれぎれの真黒い雲が泳いでいて...
太宰治 「みみずく通信」
...ひたひた水の浸して来る手摺(てすり)の下を苦もなげに游泳(ゆうえい)していた...
徳田秋声 「仮装人物」
...すがすがしく泳げたように...
中井正一 「美学入門」
...いったん、姿をかくした七兵衛が、また御行(おぎょう)の松の下に姿を現わしたのはその時で、「いけねえ……こう犬にほえられちゃあいけねえ」と息をついて立った有様は、海へ泳ぎ出して、いくばくもなく鱶(ふか)にであって、あわてて岸へ泳ぎ戻ったような有様で、七兵衛としては、かなりに不手際といわねばならぬ...
中里介山 「大菩薩峠」
...湯の中を泳ぐのはなかなか愉快(ゆかい)だ...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...少しは泳ぎでも稽古して置け」平次が飛び込んだ時は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...氣性の激しい人ださうです」「その中に泳がせられちや...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...かきわけるようにして前へ泳ぎだし...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...すさまじい競泳になる...
久生十蘭 「キャラコさん」
...鰊を追いながら浅く泳いで来た鱶の一匹が...
久生十蘭 「手紙」
...金鮒などがついついと泳ぎまわっていた...
山本周五郎 「青べか物語」
...相当水泳が上手であったらしい...
夢野久作 「父杉山茂丸を語る」
...泳ぐようなかたちで...
吉川英治 「大岡越前」
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