...泰然として他の何物からも煩(わず)らわされるという事がなくなるであろう...
相馬泰三 「田舎医師の子」
...お母さんは、朝日タクシイの若旦那に背負われ、泰然として、梅やを大声で叱咤(しった)したりなどしながら、その群集を掻(か)きわけて自動車に乗り込むのである...
太宰治 「正義と微笑」
...皆が顫(ふる)えている中で努めて泰然としていた辰雄も...
谷崎潤一郎 「細雪」
...あくまでも泰然としていた...
近松秋江 「霜凍る宵」
...潮流は、四方から、急流をなして、あの大渦巻に、吸寄せられているさまは、見事なものですな……」人々の驚愕(きょうがく)、悲鳴をよそに、二人の科学者は、泰然として、世にも不思議な海洋中の大渦巻に見惚(みと)れている...
寺島柾史 「怪奇人造島」
...泰然として云った...
寺島柾史 「怪奇人造島」
...彼泰然として曰く...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...止せったら!……ぶっ壊しちまうぞ!」彼女が泰然としてるのを見ると...
豊島与志雄 「神棚」
...彼は泰然としてやって来ました...
豊島与志雄 「食慾」
...呂将軍は山のように泰然としていました...
豊島与志雄 「白塔の歌」
...此のたびは泰然としてはかなふまじと...
内藤湖南 「寧樂」
...是僕をして新聞記者の中傷を顧みず泰然としてカッフェーの卓子に倚(よ)らしめた理由の第四である...
永井荷風 「申訳」
...相手は例のごとく泰然としてただいいえと云ったのみである...
夏目漱石 「野分」
...馬場要は一人泰然として杯を擧げて居るのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「いや、これから始められては叶(かな)はない、――さう言つては濟まないが、この曲者は何年調べたところで、――地獄の底まで搜し拔いても、捉(つか)まる當てはあるまいと思ふがな、親分」主水は煙草の煙を輪に吹きながら、泰然として、こんなことを言ふのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...天がいかに恐ろしい変異を下すとも泰然として動かないだろうと思われる幾人かを...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...彼だけはいつも泰然としているのを見てこういったのである)...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...御主人泰然として膝も崩さず...
山本笑月 「明治世相百話」
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