...泣き顔をして恐る恐る足をのばす時はほんとに邪気のない時だ...
板倉勝宣 「五色温泉スキー日記」
...泣き顔を見せたくなかったのだ...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...さっきのあの絶望的な泣き顔とが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...茅葺(かやぶき)屋根の一軒立(だ)ちではあるが、つくりはすべて百姓家の構(かま)えで、広い入り口、六畳と八畳と続いた室(へや)の前に小さな庭があるばかりで、細君のだらしのない姿も、子供の泣き顔も、茶の間の長火鉢も畳の汚(よご)れて破れたのも、表から来る人の眼にみなうつった...
田山花袋 「田舎教師」
...その顔を見ると自分は泣き顔をしているのではないか...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...それから渋(しか)めた泣き顔になりそうなのを...
豊島与志雄 「叔父」
...五右衛門(ごえもん)は泣き顔をしながらも...
豊島与志雄 「泥坊」
...女中が戸をしめにきたのでしかたなしに部屋へはひつて泣き顔をかくしかくし「小国民」をだして読みはじめた...
中勘助 「銀の匙」
...我意(がい)を通そうとするみにくい泣き顔...
羽仁もと子 「おさなご」
...泣き顔をして出て往ってしまった...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...泣き顔なのだつた...
牧野信一 「父の百ヶ日前後」
...娘は泣き顔で戻って行くが...
横光利一 「夜の靴」
...お次はもう左右太さまとは、夫婦になれない身になりました」「な、なにをいうか」と、左右太も、気色(けしき)ばんで、ぎゅっと、お次の肩の両方を、わしづかみにして、その泣き顔を、揺すぶった...
吉川英治 「大岡越前」
...泣き顔を拭って姿を見せるにちがいないのだ...
吉川英治 「私本太平記」
...感情に富むらしい乙女の泣き顔も...
吉川英治 「私本太平記」
...泣き顔になるのを...
吉川英治 「新書太閤記」
...――その泣き顔を持って二階へ戻ると...
吉川英治 「新・水滸伝」
...だが――彼女は、ふと、泣き顔を、押しあてている樹の幹に、あやしい情熱を覚えた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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