...法師蝉は、まだ今年は来ませんよ」男は白い歯を見せて、神経質な笑い声を立てた...
梅崎春生 「桜島」
...むづかしき禅門出れば葛(くず)の花明治三十七年或時(あるとき)は谷深く折る夏花(げばな)かな明治三十七年発心(ほっしん)の髻(もとどり)を吹く野分(のわき)かな秋風にふえてはへるや法師蝉(ほうしぜみ)明治三十七年八月二十七日 芝田町海水浴場例会...
高浜虚子 「五百句」
...法師蝉もあまり鳴かなくなつた...
種田山頭火 「其中日記」
...法師蝉とは別な声...
種田山頭火 「其中日記」
...法師蝉が身近く鳴きせまる...
種田山頭火 「其中日記」
...初めて今年の法師蝉が鳴いた...
種田山頭火 「松山日記」
...法師蝉が鳴いている...
外村繁 「日を愛しむ」
...法師蝉は歌がおもしろく...
中勘助 「銀の匙」
...濡れた木(こ)の葉(は)と枯枝とに狼藉(ろうぜき)としている庭のさまを生き残った法師蝉(ほうしぜみ)と蟋蟀(こおろぎ)とが雨の霽(は)れま霽れまに嘆き弔(とむら)うばかり...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...坪庭の槇で法師蝉(ほうしぜみ)がなきだした...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...法師蝉の金属的な声は評定所いっぱいにかんだかく反響し...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...山々の木立に法師蝉(ほうしぜみ)がポツポツ啼き初める頃になると...
夢野久作 「巡査辞職」
...その中に法師蝉の夕日づいた澄んだ声も混っていた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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