...内部を見せたくない装置なんです」「論文の標題(ひょうだい)は?」「ニシキヘビの内分泌腺(ないぶんぴせん)について――というのです」そこへドヤドヤと...
海野十三 「爬虫館事件」
...美(うつく)しかりしそのかみの夢(ゆめ)の香(か)ほのに身(み)に泌(し)みて...
薄田淳介 「白羊宮」
...すっかり水が泌みこんで...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...元来泣くように準備のととのっている観客の涙腺(るいせん)は猶予(ゆうよ)なく過剰分泌を開始するのであって...
寺田寅彦 「自由画稿」
...すなわち一種のものでは光を放つ液体を分泌する腺を備え...
寺田寅彦 「話の種」
...ガンマ線や中性子による障害で早期に発現したものは、前に話した原子爆弾宿酔のほかに尿量減少、唾液分泌減少、汗分泌減少、性欲喪失であった...
永井隆 「長崎の鐘」
...そのあらゆる分泌物が馥郁(ふくいく)として匂い...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...蛾蟲のもがくすがたは遂に表現として不思議な魅力を泌じませる...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...上から斜に洩(も)れてくる陽(ひ)の光のため彼の眼に泌みるようだった...
原民喜 「美しき死の岸に」
...人聞きて身に泌むと云ふこと云ひぬ物の弾みはすべてわりなしかういふ体験は私にもある...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...毒のように私の体に泌み込んで離れないんですわ...
松永延造 「職工と微笑」
...フト軽い寒氣が身裡(みうち)に泌みた...
三島霜川 「昔の女」
...○葱および球葱は脳を養いかつ消化液を分泌せしむるの功あり...
村井弦斎 「食道楽」
...ついにこの高貴な手押車は泌尿科の医師の眼にはとうとう触れなかった...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...一言も物を言い得ないまま「ハアア――ッ……」と骨身に泌みるようなタメ息を一つして...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...頭の中心まで泌(し)み渡らせながら彼は...
夢野久作 「白菊」
...いい芳香(におい)が臓腑(はらわた)のドン底まで泌(し)み渡りましたよ...
夢の久作(夢野久作) 「人間腸詰」
...塹壕の中には膿(うみ)を浮かべた分泌物(ぶんぴつぶつ)が溜(たま)っていた...
横光利一 「ナポレオンと田虫」
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