...此理想を實現するの困苦を泌々と身に覺えるであらう...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...それはこのハンカチーフについている博士の身体からの分泌物(ぶんぴつぶつ)の蒸発変化度(じょうはつへんかど)から推定して今のようにいうことができるんだ...
海野十三 「三十年後の世界」
...秋の哀れも身に泌(し)む砧(きぬた)の音...
大隈重信 「夫婦共稼ぎと女子の学問」
...物(もの)さびしさの身(み)にぞ泌(し)む...
薄田淳介 「白羊宮」
...あのように肉体から泌み出て...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...京子はそれが鼻に泌み込むやうに思つて仕方がなかつた...
田中貢太郎 「あかんぼの首」
...友情が身心に泌(マヽ)み入つて涙がこぼれる...
種田山頭火 「其中日記」
...この問題の分泌量Hがざっと H = H0+ A sin nt のような形で書き現わされその平均水準のH0と振幅Aとが各個人の各年齢で色々になる量だとする...
寺田寅彦 「五月の唯物観」
...それで尿酸の分泌の幾分は体熱の損失に対する反応として起るものだろうという...
寺田寅彦 「話の種」
...之がみずから自分のための形式を分泌形成する時が...
戸坂潤 「科学論」
...心(こころ)の底(そこ)まで泌(し)み込(こ)んで居(い)たので...
グリム 中島孤島訳 「ラプンツェル」
...彼の靴底はすぐ雨が泌みて...
原民喜 「火の唇」
...毒のように私の体に泌み込んで離れないんですわ...
松永延造 「職工と微笑」
...又自然と手掌からにじみ出して来る脂が自分の体から分泌されたものに幾分のXを加えた感覚である...
森於菟 「屍体異変」
...冥途(あのよ)の奥の奥までも泌み透して行くような...
夢野久作 「斜坑」
...頭の中心まで泌(し)み渡らせながら彼は...
夢野久作 「白菊」
...米が一升(しょう)十銭といったような言葉がまだ六歳の私の耳に一種の凄愴味を帯びて泌み込むようになった...
夢野久作 「父杉山茂丸を語る」
...県令の劉泌(りゅうひつ)は出迎えた...
吉川英治 「三国志」
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