...沽ろうとした瞬間に美徳が美徳でなくなるという第一義的な真理を本能の如く知っているのは彼女だ...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...おまえさんの誉(ほま)れにもなるし沽券(こけん)にもなる...
有島武郎 「ドモ又の死」
...縱(たと)ひ羅馬(ロオマ)わたりに持ち往きて沽(う)らんとし給ふとも...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...しかしこちらは大沽だと言っても...
梅崎春生 「狂い凧」
...特に大沽(たいこ)砲台...
大隈重信 「三たび東方の平和を論ず」
...どれだけ自分の店の沽券にかかはるかをよく承知してゐるので...
薄田泣菫 「茶話」
...彼等を見ていたのを見つけられては自分の沽券(こけん)にかかわるような気がしたからである...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...太沽(ターク)どころじゃない...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...「これを沽らん哉(かな)...
中島敦 「弟子」
...子路は必ずしも沽ろうとは思わない...
中島敦 「弟子」
...自分の沽券(こけん)にさわるように見もしかねない...
長谷川時雨 「モルガンお雪」
...禿狸の沽券(こけん)にかかわります」と言いながら...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...烏丸は糧(かて)の代(しろ)に姫を売り沽(こ)かし...
久生十蘭 「奥の海」
...金穀でむすめを売り沽かすなどということはなかった...
久生十蘭 「奥の海」
...こんなことをしては自分の沽券(こけん)にかかわりはせぬか...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...これを沽(う)つたものの昌盈なるを知つた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...又は頭山満の沽券(こけん)と雖も...
夢野久作 「近世快人伝」
...道誉の沽券(こけん)をきずつけられた...
吉川英治 「私本太平記」
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