...三に竈(へつゝひ)の油虫……すべて女の嫌ひなものは滅びてゆく世の中である...
薄田泣菫 「茶話」
...「御覧の通り油虫は一匹も居(を)りませんでございます...
薄田泣菫 「茶話」
...この別荘には無論油虫なぞ居る筈はなからうね...
薄田泣菫 「茶話」
...油虫の多い炊事場は...
武田麟太郎 「日本三文オペラ」
...油虫のように無数にかたまって建っている...
太宰治 「正義と微笑」
...藪蚊と油虫とが癪に障る...
種田山頭火 「行乞記」
......
種田山頭火 「其中日記」
...油虫だけは見あたりしだい殺さずにはゐられない...
種田山頭火 「其中日記」
...……蝿を殺す、油虫を殺す、百足を殺す、蜘蛛を殺す、……そしておしまひには私自身を殺すだらう!……あまり予期してゐなかつた酒が魚が持ち来された(一昨日、幸便に托して、山田屋主人に酒と魚を借りたいといふ手紙をあげてをいたのであるが)、さつそく飲んだ(五日ぶりの酒であり魚であつた)、快い気分になつて、学校に樹明君を訪ねて来庵を促した(そして米と野菜とを貰つて)、それからまた飲んだ、飲んで街へ出た、ひよろひよろになるまで飲んだ、ちようど私の不在中訪ねて来て、私を探し歩いてゐる敬君に逢うて...
種田山頭火 「其中日記」
...……油虫だけは好きになれない...
種田山頭火 「其中日記」
...憎い油虫だけれど――私はどうしても油虫だけは嫌いだが――何だかいぢらしくて憎めなかつた...
種田山頭火 「其中日記」
...油虫め、弱々しくなつてゐる、よろ/\してゐる、見つかり次第、たゝき殺す私はじつさい暴君だ...
種田山頭火 「其中日記」
...かうまで油虫が憎いとは情なくなる...
種田山頭火 「其中日記」
...蟻の触角だの油虫の足だのに没頭している連中の...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...それから蓮の葉の油虫を鏖殺してやった...
豊島与志雄 「蓮」
...油虫は何をたべると問うと油虫は油虫をたべると答う...
南方熊楠 「十二支考」
...油虫ごとき害虫も家に留むれば福を齎すというはよく考えると一理あり...
南方熊楠 「十二支考」
...それから上述露国の旧信者が油虫も天より福を持ち下ると言い...
南方熊楠 「十二支考」
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