...油断のない気色(けしき)は見えなかつた...
芥川龍之介 「お富の貞操」
...彼等は何の感激もなしに油断のない処世術を講じてゐる...
芥川龍之介 「続西方の人」
...「ロンドンへは、どういう用件でいかれますかね」憲兵は、記名の切符を、アンへ戻しながら、油断のない目で、アンを見つめた...
海野十三 「英本土上陸戦の前夜」
...再び油断のない目くばりで「永島さんは逃げないでしょうね」と念を押しつつ...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...人が変ったみたいにけち臭くよろずに油断のない男になり...
太宰治 「新釈諸国噺」
...あの油断のない米友をさえ出し抜いたことのある足どりですから...
中里介山 「大菩薩峠」
...私は油断のない注意を彼らの上に注(そそ)いでいたのです...
夏目漱石 「こころ」
...なかなか油断のない面構えです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...油断のない顔つきで...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...この方も何やら油断のない構え...
久生十蘭 「魔都」
...君が「お茶松」へ出入するようになったのはいつごろからだ」油断のない面つきになって...
久生十蘭 「魔都」
...「貴女の油断のないのにはいつも感心しますよ」「三郎...
山本周五郎 「風流太平記」
...油断のない体(たい)の構え...
夢野久作 「斬られたさに」
...待ッたり」油断のない目が前とうしろを取巻いて...
吉川英治 「江戸三国志」
...油断のない要心をひとみに沈めて...
吉川英治 「江戸三国志」
...彼に油断のない身構えをさせた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...油断のない眼くばりで...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...絶えずお通へ油断のない光を配っていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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