...蘆(あし)の枯れ葉が日を浴びて立つ沮洳地(そじょち)のような平地が目の前に広がっていた...
有島武郎 「或る女」
...もとは沮洳の地にて...
大町桂月 「白河の七日」
...沮洳蘆荻のみなりし地に...
大町桂月 「東京の近郊」
...沮洳卑濕なる村上四郡を耕田と爲せり...
大町桂月 「遊羽雜感」
...海岸へ出ようとする路傍の沮洳地(そじょち)には...
田中貢太郎 「雁」
...土手の下の沮洳地を見ると...
田中貢太郎 「雁」
...一羽の雁は石に傷ついたのか沮洳地の上を放れなかった...
田中貢太郎 「雁」
...土手を駈けおりて沮洳地の枯蘆の間へ入って往った...
田中貢太郎 「雁」
...然るに今日に至っては隅田川の沿岸には上流綾瀬(あやせ)の河口から千住(せんじゅ)に至るあたりの沮洳(そじょ)の地にさえ既に蒹葭蘆荻(ろてき)を見ることが少くなった...
永井荷風 「向嶋」
...沮洳地(そじょち)の車行の困難は言語に絶した...
中島敦 「李陵」
...沮洳地……いかにも世離れた静寂があたりを領し...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...武蔵野はもと沼沢沮洳(しょじょ)たる荒野原で...
久生十蘭 「魔都」
......
三好達治 「短歌集 日まはり」
...寺内の墓地は半ば水に浸されて沮洳(しよじよ)の地となり...
森鴎外 「壽阿彌の手紙」
...それゆえに湿地・沮洳地(そじょち)を意味する単語の入用は外国よりもはるかに多く...
柳田國男 「地名の研究」
...アクツは必ずしも卑湿沮洳(そじょ)の地を意味すると断定することはできない...
柳田國男 「地名の研究」
...現に常陸でも沮洳(そじょ)の地をヤチ・ヤチッボ...
柳田國男 「地名の研究」
...九州の牟田の沮洳(そじょ)を意味することは引証にも及ぶまいが...
柳田國男 「地名の研究」
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