...堤上に石と伏して幾度か狂瀾の飛沫を浴びたるも...
石川啄木 「閑天地」
...雨は飛沫(しぶき)を立てて降ってきた...
田中貢太郎 「竇氏」
...あたかも海辺の巌(いわお)が一時泡沫(ほうまつ)におおわれるがように...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...――荒らくれた無数の泡沫ばかりが...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...それでもその辺は一面の血飛沫(ちしぶき)です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...船の中まで飛沫(しぶき)ましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...汚れた土を崩す事は気安めではない大きい冷い屋根を引つぺがへして浪の泡沫をふりかけやうか!それとも長い暗いトンネルの中へ鎖の鍵を持つてゐるムカデをトコロテンのやうに押し込んでやらうか!奈落にひしめきあふ不幸な電気人形よ波を叩いて飛ぶ荒鷲のツバサを見よ海よ海!海には自由で軽快な帆船がいつぱいだ...
林芙美子 「蒼馬を見たり」
...随分この頃では川床がひろく面白い起伏で飛沫もあげるようになって来ているでしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
......
三好達治 「短歌集 日まはり」
...顔にも一面に飛沫(しぶき)が掛っているらしい気もちがした...
夢野久作 「斜坑」
...又真白く湧き返る波の飛沫(しぶき)を浴みて...
夢野久作 「白髪小僧」
...徒らに自分の實踐が泡沫の如く浮游する現象を見るばかりである...
吉川英治 「折々の記」
...そしてその泡沫(ほうまつ)が消えゆくにつれて...
吉川英治 「神州天馬侠」
...亭主の影の見失われた溝(どぶ)から黒い泥飛沫(どろしぶき)がたかくあがった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...一面の飛沫(しぶき)に...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...だが夜更けてくる頃には外海の飛沫(しぶき)もかかってくるから...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...いつか上げ潮に変ったと見えて小波の飛沫が我等の爪先を濡らす様になった...
若山牧水 「青年僧と叡山の老爺」
...私は飛沫(しぶき)を浴びながらS―君の帽子を耳までも深く被って全身に力をこめながら立っていた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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