...雪のやうな波の水沫(しぶき)を二人のまはりへ漲(みなぎ)らせた...
芥川龍之介 「老いたる素戔嗚尊」
...○シヤボンの泡沫に洗はれてゐる鶏...
李箱 「真昼」
...水の泡沫のように消え去ると...
海野十三 「火葬国風景」
...鮮かにも飛沫に濡れているのだった...
大阪圭吉 「動かぬ鯨群」
...時の気運(きうん)によりていまだこほらで沫々(あわ/\)しきが...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...しろく泡(あわ)だっては消えて行く水沫(うたかた)は...
田中英光 「オリンポスの果実」
...或は激湍(げきたん)沫(あわ)を吹いて盛夏猶(なほ)寒しといふ白玉(はくぎよく)の渓(たにがは)...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...なにぶんにも水の飛沫(ひまつ)がはげしくて一度見せられたくらいでは詳細な闘争方法が識別できにくいのが残念である...
寺田寅彦 「映画「マルガ」に現われた動物の闘争」
...波がしら立てて泡沫飛ぶ如し――正に其樣見る如く...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...そしてその飛沫(ひまつ)をクリストフは受けたのだった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...その一の泡沫はやがて...
豊島与志雄 「大自然を讃う」
...叩き殺してしまやがりゃいいんだ」今度は村の人へ飛沫(とばっちり)...
中里介山 「大菩薩峠」
...木々の梢に積っていた雪がさあっとあたり一面に飛沫(ひまつ)を散らしながら落ち出していた...
堀辰雄 「菜穂子」
...月光にとぶ波の飛沫は白衣と変って...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「髪あかきダフウト」
...武名競(ぶめいくら)べ血飛沫(ちしぶき)鹿(か)の子(こ)一生田(いくた)の馬場の競(くら)べ馬(うま)も終ったと見えて...
吉川英治 「剣難女難」
...眼前の死も生も、そうした眼には、泡沫に似ていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...泡沫(ほうまつ)に帰したように...
吉川英治 「無宿人国記」
...はじけ散る荒い飛沫も...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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