...夏も末の頃になつて漸く新らしい枝のさきに白い粉の吹いたやうな莟(つぼみ)が沢山につきはじめて...
高浜虚子 「百日紅」
...煙管(キセル)など沢山に所持しており...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...彼は庭を手入れして樹木を沢山に植え込み...
谷崎潤一郎 「途上」
...蕨も沢山に出るし...
田山録弥 「行つて見たいところ」
...それらの文武の書籍も沢山に遺っていたので...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...今過ぎ去ったばかりの昨日(きのう)の事をも全く異(ちが)った時代のように回想しなければならぬ事が沢山にある...
永井荷風 「銀座」
...沢山に……と何よりも先に...
中里介山 「大菩薩峠」
...染のいい絣を着るひとが沢山にならないものでしょうか...
林芙美子 「着物雑考」
...それが沢山に集まって一株一株叢をなして茂っているのである...
牧野富太郎 「植物記」
...一つでも沢山にその数の増加せん事を庶幾(しょき)している...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...子が十の時二つ上のお久美さんは最う沢山に延びた髪を桃割に結ってまるで膝切りの様な着物の袖を高々とくくり上げて男の子の様に家内の小用事をいそがしそうに立ち働いて居た...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...日中に外から飛んで来ても毎晩ちょいちょいと取っておけば決して沢山には殖(ふ)えません...
村井弦斎 「食道楽」
...孕(はら)んだ例は沢山にあるんだ...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...いつでも飲みたいという人が沢山に出てこなければ...
柳田国男 「木綿以前の事」
...ほかの方よりも沢山に存じておったかも知れませぬけれども...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...まだまだ沢山に在るのよ...
夢野久作 「二重心臓」
...この定型があらわす意味は不可思議なほど沢山にある(厳密な言葉で云うと無限にあり得るので...
夢野久作 「能とは何か」
...日本の中から汚なさが沢山に眼につき出すと...
横光利一 「旅愁」
便利!手書き漢字入力検索