...仮令(たとえ)ば、沙魚の餌付は、でも紳士の立食会に、眼を白黒して急(せ)き合ひ、豚の骨(あら)を舐(しゃぶ)る如く、鮒は妙齢のお嬢さんが、床の間つきのお座敷に座り、口を細めて甘気の物を召し上る如く、其の段格は全で違ツてるです...
石井研堂 「元日の釣」
...沖なる沙魚船より...
石井研堂 「釣好隠居の懺悔」
...八先生は見ざる真似(まね)して、少年が手に傾けた件(くだん)の畚(びく)を横目に、「生憎(あいにく)、沙魚(はぜ)、海津(かいづ)、小鮒(こぶな)などを商う魚屋がなくって困る...
泉鏡花 「悪獣篇」
...岡沙魚(おかはぜ)というもの土に跳ね...
泉鏡花 「悪獣篇」
...」と芸者の仮声(こわいろ)を隅田川の中で沙魚(はぜ)がいふんです...
泉鏡花 「いろ扱ひ」
...そこには五六尾の沙魚が入っていた...
田中貢太郎 「蟇の血」
...ぼくとだぼ沙魚嬢のロオマンスを素(す)ッ破(ぱ)抜(ぬ)きました...
田中英光 「オリンポスの果実」
...そして沙魚三十尾ばかりの獲物を提げて得々として帰つて来た...
種田山頭火 「行乞記」
...胴体(どうたい)だけはぴくぴく動いている河沙魚(かわはぜ)のような...
林芙美子 「河沙魚」
...料理は海亀や沙魚のフライ...
久生十蘭 「三界万霊塔」
...例へば水村山郭酒旗風(すいそんさんかくしゅきのかぜ)といふ杜牧(とぼく)の成句を取りてこれに秋季の景物を添へ沙魚(はぜ)釣(つる)や水村山郭酒旗風 嵐雪といふが如きこれにても俳句なり...
正岡子規 「俳諧大要」
...昨また隅田の下流に釣して沙魚(はぜ)五十尾を獲(え)...
正岡子規 「病牀六尺」
...備前(びぜん)の沙魚...
正岡子規 「墨汁一滴」
...鯨は進む時には必ず沙魚(はぜ)に似た小魚を先に立ててゆくそうである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...河には真沙魚(まはぜ)が登って来た...
山本周五郎 「青べか日記」
...その水深約一尺以内の処にはハラジロ(沙魚(はぜ)の子ともいい別種ともいう)が一面に敷いたように居るのを翁が目堰網で引っ被せてまわる...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...河沙魚(かわはぜ)...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
...かわ沙魚は食いつく...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
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