...それはまったく沈鬱な表情でした...
梅崎春生 「Sの背中」
...夜は沈鬱なる歌聲に更け行き...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...非常に陰惨な陰気な沈鬱な執拗で吝嗇で猜疑心が深いという...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...ある時は複雑な沈鬱な混色ばかりが次から次へと排列されて一種の半音階的の旋律を表わしているのである...
寺田寅彦 「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」
...沈んだ沈鬱なものとが...
豊島与志雄 「白日夢」
...水色の沈鬱な湖面は...
直木三十五 「南国太平記」
...「灯り」沈鬱な男の聲でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あの沈鬱なポーズは役人の服を着ても身に着くだろうと私は想像していた...
原民喜 「翳」
...保羅は、時々、先生のところへやって来ては、沈鬱な、典雅(エレガント)なようすで、エリック・サティやダリウス・ミヨオやオーリックなどを弾いていた...
久生十蘭 「キャラコさん」
...無感動な、沈鬱な物腰...
久生十蘭 「地底獣国」
...原始混沌のような褐色の泥に取巻かれた沈鬱な沼...
久生十蘭 「地底獣国」
...もう抒情めかしい顔つきも沈鬱な眼つきもしていない...
久生十蘭 「魔都」
...この市には三百歳以上の沈鬱な長寿者も珍らしくない...
牧野信一 「ラガド大学参観記」
...沈鬱な激情であがめていた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「幸福への意志」
...沈鬱な眼で彼をじっと見つめているような時には...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トビアス・ミンデルニッケル」
...妙に陰気な沈鬱なおもむきを帯びることがある...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ルイスヒェン」
...突然沈鬱な気色になつた...
クスミン Mikhail Alekseevich Kuzmin 森林太郎訳 「フロルスと賊と」
...高雅な中に淡い沈鬱な所のある調和を示して居た...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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