...沈鬱な空気が部屋に漂っていた...
高浜虚子 「子規居士と余」
...ある時は複雑な沈鬱な混色ばかりが次から次へと排列されて一種の半音階的の旋律を表わしているのである...
寺田寅彦 「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」
...その顔には沈鬱な色が浮んでいました...
豊島与志雄 「白塔の歌」
...沈鬱な色をして、低い灰色の雲を写していた...
直木三十五 「南国太平記」
...沈鬱な顔をしながら「暫く...
直木三十五 「南国太平記」
...あの沈鬱なポーズは役人の服を着ても身に着くだろうと私は想像していた...
原民喜 「翳」
...沈鬱な色が濃くなった...
久生十蘭 「地底獣国」
...原始混沌のような褐色の泥に取巻かれた沈鬱な沼...
久生十蘭 「地底獣国」
...見るからに沈鬱な島だった...
久生十蘭 「ノア」
...無情な太陽が沈鬱な筏の上にかがやいていた...
久生十蘭 「ノア」
...沈鬱な顔をして額を押えながら...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...祖父江(そふえ)という見るからに沈鬱な青年と二人で住んでいて...
久生十蘭 「ハムレット」
...この市には三百歳以上の沈鬱な長寿者も珍らしくない...
牧野信一 「ラガド大学参観記」
...私は何んなに沈鬱な日を送ったろう...
松永延造 「職工と微笑」
...沈鬱な激情であがめていた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「幸福への意志」
...妙に陰気な沈鬱なおもむきを帯びることがある...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ルイスヒェン」
...あの沈鬱なような表情に気を附け...
森鴎外 「百物語」
...突然沈鬱な気色になつた...
クスミン Mikhail Alekseevich Kuzmin 森林太郎訳 「フロルスと賊と」
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