...あらゆる造形美術の愛好者のやうにまづあの沈痛な力に満ちたゴオグに傾倒した一人だつた...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...さも沈痛な調子で答えました...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...彼の弁舌には不思議に沈痛な力があり...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...二 難局に立てるフォーシュルヴァン急迫した場合にいらだったしかも沈痛な様子をするのは...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...しばらく沈痛な夕ばえの空を残す...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...躁狂(そうきょう)な響を権柄(けんぺい)ずくで沈痛ならしめているのがこの遠吠である...
夏目漱石 「琴のそら音」
...余はこの度(たび)生来未だかつて知らなかった沈痛な経験を得たのである...
西田幾多郎 「我が子の死」
...彼が沈痛な聲で訴へたか...
萩原朔太郎 「芥川龍之介の死」
...意外に沈痛な顔になった...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...金五郎が沈痛な面持で呟いた言葉が...
火野葦平 「花と龍」
...つねになく沈痛な唇をむすんで坐りこんでいた...
吉川英治 「黒田如水」
...――宜(よろ)しゅうござる」と重蔵は沈痛な声で初めて大きくうなずいた...
吉川英治 「剣難女難」
...ないといえよう」玄徳は沈痛な語気でいった...
吉川英治 「三国志」
...沈痛な中につぶやいた...
吉川英治 「私本太平記」
...みな沈痛な色をたたえて...
吉川英治 「新書太閤記」
...大宋(たいそう)朝廷のご威厳にかかわる」沈痛な語気だった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...一日という短い生活のうちに、そういう矛盾の甚だしい二つの自己を息づかせながら、しかし当の清十郎は、それが必ずしもおかしくはないように、沈痛な眉と、慚愧(ざんき)の唇を結んでいた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...改革いたす意味もないことになろう」沈痛な彼の誠意は...
吉川英治 「宮本武蔵」
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