...能楽の沈潜した感激は哲学的だと言いましょうか...
上村松園 「無表情の表情」
...読書と思索とに沈潜したいのだけれど...
種田山頭火 「行乞記」
...昨夜は一睡もしないで、自己に沈潜した、自己省察は苦しかつた、だが、私の覚悟はきまつた...
種田山頭火 「其中日記」
...怨嗟の声地の底には根と根の沈潜したみにくい闘争があり...
土谷麓 「呪咀」
...彼が夢にも思わなかったほどの深い所へ沈潜したのだった...
豊島与志雄 「子を奪う」
...どう言ったらいいか……精力的な沈潜した悲哀……そんなものがあるとしたら...
豊島与志雄 「落雷のあと」
...」「精力的な沈潜した悲哀……僕には分らんね...
豊島与志雄 「落雷のあと」
...感情の翳のささぬ沈潜した表情になって...
久生十蘭 「ノア」
...深く沈潜した一種の風格を持っていて...
久生十蘭 「ノア」
...彼の心は沈潜した火を燃すのであろう...
本庄陸男 「石狩川」
...私は数年間働いていた沈潜した情熱と...
槇村浩 「同志古味峯次郎」
...小さい一歩の前へ出た(自分の感覚ではシンと沈潜した)作品だと思います...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...このひとの考えかたによると、「杉垣」の胸をうつのは、沈潜した、思索的な文章でかいてあるから云々というようなところで、何だかピントが狂っていますが...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...他の一方で既に常民の意識の底に沈潜したものを...
柳田国男 「海上の道」
...彼が禅に沈潜した瞑想(めいそう)の静的な生活がいかに長い期間にあったかを思わねばならない...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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