...沈淪しなければなりますまい...
芥川龍之介 「妖婆」
...露西亜は階級制度の厳重な国だから立派な学問権識があっても下層に生れたものは終生下層に沈淪しておらねばならない...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...茶屋女とか芸者とかいうような下層に沈淪(ちんりん)した女が案外な道徳的感情に富んでいて...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...それに比して義(ただ)しき者の悲境に沈淪(ちんりん)せるは何の故ぞと...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...嘗ての原始的状態に沈淪した蒙昧な蛮族の居住地に教化の御光を与へ...
太宰治 「津軽」
...家庭ハ冷かに墳墓ハ乱るゝの惨状に沈淪して哭天慟地の血涙に咽ぶの時に当り...
田中正造 「非常歎願書」
...一時は非常に逆境に沈淪(ちんりん)して...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...芸術家がそのために悲惨な境界に沈淪(ちんりん)せぬまでも...
寺田寅彦 「科学者と芸術家」
...泣く泣くもたとい一国を身代(しんだい)限りの悲堺(ひかい)に沈淪(ちんりん)せしむるも武備の用意をなさざるべからず...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...或は進歩黨をして永く逆境に沈淪せしむるの一原因たるやも知る可からず...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...進歩党が久しく逆境に沈淪したるは...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...一旦嬌名ヲ都門ニ馳セシムルヤ気ヲ負フテ自ラ快トナシ縦令悲運ノ境ニ沈淪スルコトアルモ自ラ慚ヂテ待合ノ女中牛肉屋ノ姐サントナリ俗客ノ纏頭ニ依ツテ活ヲ窃ムガ如キモノハ殆一人モ有ルコトナカリキ...
永井荷風 「申訳」
...むしろ藤原氏中の一族が久しき沈淪から脱出して栄達したというような有様で...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...しかもそこには沈淪の状態にある無数の破滅せる農民や小生産者や労働貧民が溢れていたからである...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...住民が最も野蛮な無智に沈淪しまたは最も苛酷な圧政に圧迫されている国は...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...朝暮歎きに沈淪(ちんりん)したもう...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...あったら娘を一生不幸の淵に沈淪(ちんりん)させる事になるのであります...
夢野久作 「鼻の表現」
...私の心は沈淪(ほろび)の患難(なやみ)に付(わた)されるかのように...
夢野久作 「瓶詰地獄」
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