...曾(か)つて之を争ひしが為めにワルレンスタインは悲苦の境界に沈淪(ちんりん)したり...
石橋忍月 「罪過論」
...生きながら社会より埋葬せらるる如き悲境に沈淪(ちんりん)するものの多いのは...
大隈重信 「我輩の智識吸収法」
...甞て逆境に沈淪して...
高木敏雄 「比較神話学」
...嘗ての原始的状態に沈淪した蒙昧な蛮族の居住地に教化の御光を与へ...
太宰治 「津軽」
...家庭ハ冷かに墳墓ハ乱るゝの惨状に沈淪して哭天慟地の血涙に咽ぶの時に当り...
田中正造 「非常歎願書」
...芸術家がそのために悲惨な境界に沈淪(ちんりん)せぬまでも...
寺田寅彦 「科学者と芸術家」
...泣く泣くもたとい一国を身代(しんだい)限りの悲堺(ひかい)に沈淪(ちんりん)せしむるも武備の用意をなさざるべからず...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...進歩党が久しく逆境に沈淪したるは...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...悲惨と微賤(びせん)のうちに沈淪(ちんりん)してる名もなき者...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...一旦嬌名ヲ都門ニ馳セシムルヤ気ヲ負フテ自ラ快トナシ縦令悲運ノ境ニ沈淪スルコトアルモ自ラ慚ヂテ待合ノ女中牛肉屋ノ姐サントナリ俗客ノ纏頭ニ依ツテ活ヲ窃ムガ如キモノハ殆一人モ有ルコトナカリキ...
永井荷風 「申訳」
...芸術家でも時に容(い)れられず世から顧(かえり)みられないで自然本位を押し通す人はずいぶん惨澹(さんたん)たる境遇に沈淪(ちんりん)しているものが多いのです...
夏目漱石 「道楽と職業」
...昭君ガ漢宮ノ姫人ニシテ遠ク胡地ニ沈淪シテ死スルニ至テハ...
※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]上漁史 「青塚ノ説」
...浮ぶ瀬もなく悪事に沈淪(ちんりん)していたのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...浮ぶ瀬もなく惡事に沈淪(ちんりん)して居たのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...むしろ藤原氏中の一族が久しき沈淪から脱出して栄達したというような有様で...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...求めてその中(うち)に沈淪(ちんりん)して...
二葉亭四迷 「浮雲」
...または幸福に達すれば再び窮乏に沈淪しこの窮乏がまたも次の幸福の出発点となるというふうに永久の擺動(はいどう)(オシレイション――マルサスはこの語そのものもその観念もこれをコンドルセエから得て来たもののように思われる)に運命づけられていなければならぬのであるか...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...彼らは内面外面のあらゆる道徳を振り捨てて人の恐れる「底」に沈淪する事を喜ぶ...
和辻哲郎 「転向」
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