...轟(とどろ)きながら奈落の底に沈むと思う...
泉鏡花 「霰ふる」
...火の沈む時は上へ浮いて...
泉鏡花 「海異記」
...かかる場所に死体も沈むべきであるという道理が知れた」と申したが...
井上円了 「おばけの正体」
...―――失うて庭の前の雪となり飛んで海の上の風に因(よ)る九霄(きうせう)応(まさ)に侶(とも)を得たるなるべし三夜籠(ろう)に帰らず声は碧(みどり)の雲の外に断(た)え影は明(あきら)けき月の中に沈む郡斎(ぐんさい)これより後は誰(たれ)か白頭の翁に伴はん滋幹は他日成長してから...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...この身は――』窕子は泣き沈むのだつた...
田山花袋 「道綱の母」
...見よや緑りの川柳更けて葉越しに青白く片破月の沈むとき見よやみそらに影曳きて恐ぢ驚ける魂のごと流るゝ星の落つるとき...
土井晩翠 「天地有情」
...外套がしっかり沈むよう...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「唇のねじれた男」
...其の向うには、鰻や鮒を入れた大きな魚籃(びく)が半分水に浸(ひた)って、もう其の向うは乱れ葦の縦横に生い茂って、雲つく程伸びたのもあれば、半(なかば)からぽっきと折れたのもあり、葉が浮くやら、根が沈むやら、影が水に映って、水が影を揺(うご)かして、影か形か、形か影か、深いか浅いか、一切分らない...
徳冨蘆花 「漁師の娘」
......
野口雨情 「枯草」
...「船が沈むぞォ...
久生十蘭 「ノア」
...日の沈む時間は、どんな魚でも扱いが難しい...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...日が沈むと、村の往還は人通りも絶える...
宮本百合子 「田舎風なヒューモレスク」
...中の君が結婚をしたために物思いに沈むことの多くなったことによって...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...褐色の汁の中へ沈む...
森鴎外 「牛鍋」
...お日さまが沈むと...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...今は個人のみ活きて時代は沈む...
柳宗悦 「民藝四十年」
...その白い埃(ほこり)が沈むのを待って...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...沈むぜ...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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