...骨の髓までキリ/\と沁む樣な...
石川啄木 「葬列」
...いと冷かに襟元から総身に沁む...
石川啄木 「天鵞絨」
...縹緻(きりょう)に打たれて身に沁む工合が...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...全く「人の心脾(しんひ)に沁む」という言葉通りで...
魯迅 井上紅梅訳 「村芝居」
...訳もなしに身に沁む...
寺田寅彦 「嵐」
...眼に沁むような妖しい美しさ...
野村胡堂 「十字架観音」
...眼に沁むやうな娘の死體を...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...しかも、雪が降りしきっていて、寒さが骨に沁む...
水野葉舟 「香油」
...身に沁むような寒さを忍んでいた人達は急いで降りて家の中にはいった...
水野葉舟 「遠野へ」
...木の葉も凋落(ちょうらく)する寂寥(せきりょう)の秋が迫るにつれて癒(いや)しがたき傷手(いたで)に冷え冷えと風の沁むように何ともわからないながらも...
水上滝太郎 「山の手の子」
...俳句の題の身に沁むにはすこし遅いやうではあるが...
室生犀星 「故郷を辞す」
...心に深く沁むように見えると云おうか...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...共通の淋しさ儚なさを守り合う身に沁む歎きはあるとはいえ...
横光利一 「旅愁」
...はるばると見渡す池の秋の水濃き紫の身に沁むか...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...さまで身に沁む筋ならず聞きつることの...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...夜気はひややかに骨に沁む...
吉川英治 「三国志」
...もう蕭殺(しょうさつ)の気が肌に沁む...
吉川英治 「新書太閤記」
...おなじ芭蕉の句――夏草やつはもの共が夢の跡――と共につよく心に沁む句である...
吉川英治 「随筆 新平家」
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