...招魂社辺の蝉の声が遠く沁込(しみこ)む...
泉鏡花 「薄紅梅」
...余程(よっぽど)身に沁(し)みた不気味さに違いない...
泉鏡花 「薄紅梅」
...何となく相手の耳に沁みこむ響を持つてゐた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...先生の暖いそして静かな心が実感をもって身に沁(し)みたのであった...
中谷宇吉郎 「指導者としての寺田先生」
...今宵もこれ程私の心に沁み入っていますので...
堀辰雄 「姨捨」
...吐き出す息づかひが荒々しくなるばかりで私は沁々とこの行軍の早計だつたのを悔ひはぢめてゐた...
牧野信一 「剥製」
...真に私は蘇生の感を沁々と味はつた...
牧野信一 「夜見の巻」
...はらわたに沁みとおるように聴えて来るのだ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...小説にしかないものがあるということを沁々感じます...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...源氏は身に沁(し)んで聞いていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...子煩悩な二官の腸(はらわた)へ沁(し)みてきます...
吉川英治 「江戸三国志」
...沁々と、舌を通る茶のうまさが味得される...
吉川英治 「折々の記」
...沁々(しみじみ)という...
吉川英治 「新書太閤記」
...――沁々(しみじみ)そう感じながら...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...彼の体には犬の血のにおいが沁みている...
吉川英治 「宮本武蔵」
...鐘の音は腸(はらわた)に沁みるほど冴えて聞えた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...沁々(しみじみ)とそれを体験した...
蘭郁二郎 「自殺」
...気が違ったんじゃないか――)こんなことを沁々(しみじみ)と考える程...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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