...一層心に沁(し)みるような気がした...
芥川龍之介 「奇怪な再会」
...僕はもはや帰らぬ友を沁々と悼んだ...
辰野隆 「旧友の死」
...子供の時分の正月の記憶で身に沁みた寒さに関するものは...
寺田寅彦 「新年雑俎」
...長く沁込んだその町の内部の生活を憶出(おもいだ)していると云う顔をして笑った...
徳田秋声 「あらくれ」
...その懈さが骨の髄まで沁(し)み拡がって行きそうであった...
徳田秋声 「爛」
...冴え返った光りが心の中まで沁み込んできた...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...もう秋の夜長のさびしさがうっすら身に沁(し)みる頃...
中里介山 「大菩薩峠」
...燃えるやうな青草が眼に沁みた...
林芙美子 「下町」
...そこで私は何も云はずに心の中で沁々(しみ/″\)と考へたのであつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...何だか不思議に心に沁(し)み入るような調べだ...
ホフマンスタアル Hugo von Hofmannsthal 森鴎外訳 「痴人と死と」
...光るやうに沁みた...
牧野信一 「或る五月の朝の話」
...彼は稍黄色沁みた音声で細君に語つた...
牧野信一 「好色夢」
......
室生犀星 「星より來れる者」
...彼の腸(はらわた)に沁(し)み通(とお)った...
吉川英治 「剣難女難」
...この音(ね)は腸(はらわた)に沁む...
吉川英治 「私本太平記」
...おいたわしや」と沁(し)んみりさけんで...
吉川英治 「私本太平記」
...「ああ偉い」沁々(しみじみ)と...
吉川英治 「べんがら炬燵」
...彼の体にも怠けぐせが沁(し)みこんでいることは勿論だった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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