...急に涼しい風が肌から沁み込むのに氣がつくと...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...歯ぐきに沁み透る汁気のつめたさは...
薄田泣菫 「独楽園」
...沁々と味わっているのであります...
高神覚昇 「般若心経講義」
...再び花咲く春を待たるるがよろしゅうござるぞ」「身に沁みてのお言葉...
田中貢太郎 「轆轤首」
...斉彬に、いろいろ云おうとしていたことが、だんだん小さく、薄く、そして、消えてしまって、その代りに、斉彬の言葉が、頭の中の壁に、胸の中に、肚の底に、血管の中へまでも、毛髪の末へまでも、沁み込んできた...
直木三十五 「南国太平記」
...その冷たい声が今以てお豊の腸(はらわた)に沁(し)み込むようです...
中里介山 「大菩薩峠」
...滔々(とうとう)として文明開化の流れがこの一寒村にも沁(し)みわたって来た時...
火野葦平 「糞尿譚」
...夜の冷え込みが沁みる...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...そんな馬鹿なことを沁々と呟いたりしました...
牧野信一 「サンニー・サイド・ハウス」
...あまりと云へば阿呆沁みた自分に気づいて...
牧野信一 「早春のひところ」
...(沁々もう愛想が尽きた...
牧野信一 「白明」
...照子に比べて千代子の容貌が数等優つてゐるのを私は、沁々と味はつて、悦びを感じました...
牧野信一 「晩春の健康」
...そのとき愛情というものについて沁々考えたことでした...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...花を見上げた薫の様子が身に沁(し)んで気の毒に思われた藤侍従は...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...沁々(しみじみ)と思い直されて来て...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...――沁々(しみじみ)そう感じながら...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...今おかみさんの求めた反物を沁々(しみじみ)見ている妓(おんな)があった...
吉川英治 「春の雁」
...その冷たさがなおさら沁む...
吉川英治 「宮本武蔵」
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