...風がひどく身に沁(し)みて...
岩本素白 「こがらし」
...あれを繰り返し身に沁(し)みてうれしく読んだこと...
谷崎潤一郎 「細雪」
...芝生の緑が眼に沁(し)み入るようである...
谷崎潤一郎 「細雪」
...それが急にまるで嘘をいったように止んでただ沛然(はいぜん)たる雨声が耳に沁(し)みる...
寺田寅彦 「雨の上高地」
...神尾も身に沁(し)みる一種の愛情といったようなものが...
中里介山 「大菩薩峠」
...「この間の晩のやうに酒が身に沁みませんね...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...心のやさしいことも身に沁みて知っており...
久生十蘭 「無月物語」
...滔々(とうとう)として文明開化の流れがこの一寒村にも沁(し)みわたって来た時...
火野葦平 「糞尿譚」
...――そのしぐれの夜の對話はこの二人の中年の男女の心に沁み...
堀辰雄 「姨捨記」
...沁々とした孤独に浸らう...
牧野信一 「明るく・暗く」
...時に沁々感じる人であらう...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...身に沁(し)んだことも心に浮かんでくると言って斎院にお話し申していた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...低い山畑に揉みついたように熟れている柑橘類の烈しい芳醇な匂いに沁みた新しい空気や...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...一(ひと)しきり射(さ)す日の入りも涙ぐむまで身に沁(し)みぬ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...ふと伊那丸の心のそこへまで沁(し)みとおってきた...
吉川英治 「神州天馬侠」
...骨髄に沁み入るような思いがする...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...陽の照りかえしのように眼に沁(し)みた...
蘭郁二郎 「地図にない島」
...彼らは胸に沁み入る静かな愛の代わりに...
和辻哲郎 「転向」
便利!手書き漢字入力検索