...山気が颯(さっ)と座に沁みた...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...奇妙に私の眼に沁(し)みついて離れなかった...
梅崎春生 「桜島」
...身に沁(し)みて強く感じられる...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...寒さが骨身に沁みてくる...
林芙美子 「雨」
...部屋の中に空箱(あきばこ)のように風が沁みて行ったが...
林芙美子 「魚の序文」
...「さうだなア?」などゝ沁々とした嘆声を洩しながら...
牧野信一 「秋晴れの日」
...その深く沁(し)み込む事は学校の教育よりも更に甚だしい...
正岡子規 「病牀六尺」
...身に沁むような寒さを忍んでいた人達は急いで降りて家の中にはいった...
水野葉舟 「遠野へ」
...小説にしかないものがあるということを沁々感じます...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...何と沁々と今日よりも二十五六年前の歴史の相貌を顧みさせるでしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...また御姉宮に賜わった時のことが思召されて六条院はことさら身に沁(し)んで音色(ねいろ)に聞き入っておいでになった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...「何かの機会のない限りはこの院へ上がることがなくなっております私には目に見るものすべてが身に沁(し)んでなりません」とも言い...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
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室生犀星 「抒情小曲集」
...沁々痛感する場合が多い...
吉川英治 「折々の記」
...「――お汝(こと)はわが弟の小一郎も同様に思うぞ」ということばの真実が身に沁みて来るここちがした...
吉川英治 「黒田如水」
...「やはりわが家はよいな」沁々(しみじみ)と...
吉川英治 「新書太閤記」
...武蔵は金の貴重なことを人よりも身に沁みて知っている...
吉川英治 「宮本武蔵」
...これは宗麟の心に沁みたと見え...
和辻哲郎 「鎖国」
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