...海軍力の競争に汲々(きゅうきゅう)としておるという有様である...
大隈重信 「世界平和の趨勢」
...徒らに猟官運動に汲々たる諸君の眼には問題の大小を選ぶ暇もないだろう」そうした問答の末に...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...その生涯の大部分を単に低級な必要物と安楽とを獲ることに汲々としているのならば...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...ただ自分の刻下の生活の営みに汲々(きゅうきゅう)として...
寺田寅彦 「沓掛より」
...日夜ただ兵備拡張に汲々(きゅうきゅう)として...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...世のいわゆる慈善家・道徳家・博愛家の丹心より出でずしてかえってかのただ利これ汲々(きゅうきゅう)たるの商人より出でたることを見て...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...ひたすらニュースと末梢的センセーショナリズムとの追求に汲々としていることは誰しも認めていることだが...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...今日公式呼ばわりをするに汲々たる連中よりも真実があったと私は思っている...
戸坂潤 「ひと吾を公式主義者と呼ぶ」
...科学の駆逐に汲々としている...
戸坂潤 「ひと吾を公式主義者と呼ぶ」
...曾てサーベル政略を以て黨人に畏怖せしめたるもの今は黨人を迎合して僅に一時の苟安を謀るに汲々たり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...田舎出の文士に限つて世評を気にかけ売名に汲々として新春年賀の端書(はがき)にもおのれが著書の目録なんぞを書きつらぬるが癖なり...
永井荷風 「桑中喜語」
...島に住む外国人は皆自己の資財を守るに汲々(きゅうきゅう)としている...
中島敦 「光と風と夢」
...それにしても何うしてそんな見得に秘かに汲々としてゐるのか? と悲しんだが...
牧野信一 「武者窓日記」
...遠廻しながらひたすら一刻たりとも民の邪念を払い鬱憤を発散せしめんことに汲々たり...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...同時になる丈沢山食べられるだらうかと云ふ研究に汲々としてゐる...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 森林太郎訳 「祭日」
...方今宇内の列國爭ふて海軍海事の發達に汲々たるは何ぞや...
吉井幸藏 「海島冐險奇譚 海底軍艦」
...各が自己の存立に汲々(きゅうきゅう)としている世情の常とはいっても...
吉川英治 「新書太閤記」
...収入(みいり)に汲々たるものはあるが...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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