...世の事業を以て汲々たる信者は宜(よろ)しく事業上基督の失敗に注目せざるべからず...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...ただ糊口のために汲々たる有様となった...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...その生涯の大部分を単に低級な必要物と安楽とを獲ることに汲々としているのならば...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...彼等悪徒ハ区々たる銅臭のために其良心を汚涜せられ同郷の友を殺して私利を貪るに汲々たり...
田中正造 「非常歎願書」
...あれこれとかき集めるのに汲々としていると云ったような弱々しさである...
戸坂潤 「読書法」
...ただ出来るだけ多くの快楽を得ることのみに汲々としています...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...田舎出の文士に限つて世評を気にかけ売名に汲々として新春年賀の端書(はがき)にもおのれが著書の目録なんぞを書きつらぬるが癖なり...
永井荷風 「桑中喜語」
...泰西諸国ノ如キ功利ニ汲々タル世界ニハ...
※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]上漁史 「好古小言」
...体面を繕うことばかりに汲々たる軽薄浅膚(せんぷ)な生活を続けていた...
久生十蘭 「湖畔」
...その道を達するに汲々(きゅうきゅう)たれば...
福沢諭吉 「中元祝酒の記」
...ただ一身の苟安(こうあん)を冀(こいねが)うに汲々(きゅうきゅう)たる有様を見ては...
福田英子 「妾の半生涯」
...同輩たちは彼の寵を獲(え)ることに汲々としていたし...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...遠廻しながらひたすら一刻たりとも民の邪念を払い鬱憤を発散せしめんことに汲々たり...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...汲々として紅塵(こうぢん)埃裏(あいり)に没頭し...
山路愛山 「英雄論」
...ただ一身の栄利に汲々(きゅうきゅう)としておる状(さま)は...
吉川英治 「三国志」
...現状の維持に汲々(きゅうきゅう)としていたからであった...
吉川英治 「新書太閤記」
...私利私慾の営みに汲々(きゅうきゅう)とし...
吉川英治 「新書太閤記」
...栄花に汲々たる公卿顕官の策動が絶えない...
吉川英治 「随筆 新平家」
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