...人の汲々孜々として力を改良振起に尽くしたるものは...
井上円了 「欧米各国 政教日記」
...選挙人も候補者もただただ私利を図る事にのみ汲々(きゅうきゅう)として...
大隈重信 「選挙人に与う」
...あなたも鉱毒事件のような一局部の問題に汲々としている場合でない」と島田が忠告したのに対し...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...彼等悪徒ハ区々たる銅臭のために其良心を汚涜せられ同郷の友を殺して私利を貪るに汲々たり...
田中正造 「非常歎願書」
...ただ自分の刻下の生活の営みに汲々(きゅうきゅう)として...
寺田寅彦 「沓掛より」
...天下の志士汲々これを読む徒読にあらず...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...名に汲々(きゅうきゅう)たる君子にして名を欲せざるものあり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...なお天下の経綸に汲々たるの情を見るべし〕兼(かね)て御相談申し置き候尊攘堂の事...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...今日公式呼ばわりをするに汲々たる連中よりも真実があったと私は思っている...
戸坂潤 「ひと吾を公式主義者と呼ぶ」
...一念その身の栄耀(えいよう)に汲々(きゅうきゅう)として借金賄賂(わいろ)これ本職たるの有様となりたれば...
福田英子 「妾の半生涯」
...大砲を造ることに汲々として砲弾の用意を忘れたものに等しい...
牧野富太郎 「植物記」
...汲々として紅塵(こうぢん)埃裏(あいり)に没頭し...
山路愛山 「英雄論」
...方今宇内の列國爭ふて海軍海事の發達に汲々たるは何ぞや...
吉井幸藏 「海島冐險奇譚 海底軍艦」
...ただ一身の栄利に汲々(きゅうきゅう)としておる状(さま)は...
吉川英治 「三国志」
...そのくせ自家の庫富(こふ)を汲々(きゅうきゅう)と守っている性(たち)だ...
吉川英治 「三国志」
...この辞句の裏には何よりも信盛が自己の罪のみを汲々(きゅうきゅう)と怖れて弁解している気もちが出ている...
吉川英治 「新書太閤記」
...身の栄達に汲々(きゅうきゅう)たる――文字どおりの犬でござる...
吉川英治 「新書太閤記」
...汲々(きゅうきゅう)と自閥(じばつ)の利と勢力扶植(ふしょく)にばかり策謀しているものも多い...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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