...団体の盛衰存亡はすこぶる緩慢でその間に自然淘汰の働くべき余地がきわめて少ない...
丘浅次郎 「人道の正体」
...「昨年中はあまりに御無沙汰(ごぶさた)致し候(そうろう)ところ伯父さまにはすこやかに月も凍るしべりやの野においでになり露助を捕虜(ほりょ)になされその上名誉ある決死隊に御はいりなされたそうですがかねての御気象さもございましょうとかげながら皆々にて御うわさいたして居りました猶(なお)申上ぐるまでもなく今後共に御身体(からだ)を御大切に我が...
太宰治 「惜別」
...「御無沙汰はしていたけれども...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...清三さんがお帰りになったかどうか郁治(いくじ)がうかがって来いと申しますものですから……いつもご無沙汰ばかりいたしておりましてねえ...
田山花袋 「田舎教師」
...越境の沙汰に屡々及ぶことは周知の通りなのである...
戸坂潤 「社会時評」
...昇進を取り沙汰したりしたものだ……が...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...狂気沙汰(ざた)だ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...沙汰の限りでございます...
中里介山 「大菩薩峠」
...どの姉達にも御無沙汰してしまって...
林芙美子 「泣虫小僧」
...おそらくアネットにとっては恋愛沙汰どころじゃないだろうが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...手持無沙汰になると丁度彼が煙草でも喫ふやうに...
牧野信一 「或る五月の朝の話」
...鶯やおもて通りは馬の鈴鶯や左の耳は馬の鈴いづれかよからん蕉風檀林のけぢめにやなど思ふも僭上の沙汰なるべし...
正岡子規 「鎌倉一見の記」
...太后が御反対になったにもかかわらず赦免の御沙汰(ごさた)が...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...これより先(さき)優善が隠居の沙汰(さた)を蒙(こうむ)った時...
森鴎外 「渋江抽斎」
...おかしな取沙汰ではないか...
吉川英治 「私本太平記」
...同志への音沙汰がふッつり絶えていた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...「私などが存じあげた沙汰ではございませんが...
吉川英治 「親鸞」
...いつまで何らの沙汰もないので...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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