...初夏(はつなつ)の夕映(ゆうばえ)の照り輝ける中に門生が誠意を籠(こ)めて捧(ささ)げた百日紅(ひゃくじつこう)樹下に淋しく立てる墓標は池辺三山の奔放淋漓(りんり)たる筆蹟にて墨黒々と麗わしく二葉亭四迷之墓と勒(ろく)せられた...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...一説には華王院境内の池辺に葬ったとも云い...
谷崎潤一郎 「覚海上人天狗になる事」
...池辺君は例(いつも)の通りの長大な躯幹(からだ)を東京から運んで来て...
夏目漱石 「三山居士」
...余が池辺邸(てい)に着くまで空の雲は死んだようにまるで動かなかった...
夏目漱石 「三山居士」
...池辺君はその時からすでに血色が大変悪かった...
夏目漱石 「三山居士」
...能なしの白痴は釣が飯より好きで朝から晩まで池辺にしやがんでゐる癖に雑魚一ぴき持つて帰つた試しがないので...
北條民雄 「白痴」
...夜間ハスの生えている池辺を逍遥すればこの香気が忽(たちま)ち鼻を撲(う)ち来りて頗(すこぶ)る爽快を覚えます...
牧野富太郎 「植物記」
...前(さき)の女子来て例の門に将(つ)れ出で眠らせて池辺に送り出し重ね重ね礼を述べて消え失せた...
南方熊楠 「十二支考」
...残った一人が流浪して竜池辺で困睡する所へ竜女来り見てこれを愛し夫とし...
南方熊楠 「十二支考」
...生徒中に池辺吉太郎(いけべきちたろう)...
森鴎外 「渋江抽斎」
...嘉永五年に池辺啓太(いけべけいた)が熊本で和蘭(おらんだ)の砲術を教へた時...
森鴎外 「津下四郎左衛門」
...池辺は長崎の高島秋帆(たかしましうはん)の弟子で...
森鴎外 「津下四郎左衛門」
...落合直文とか小中村(池辺)義象などが仲間で...
柳田国男 「故郷七十年」
...透谷氏芭蕉池辺明月の什(じふ)を論じて曰く彼れは実を忘れたる也...
山路愛山 「唯心的、凡神的傾向に就て(承前)」
...漱石先生が天下一品とまで賞揚された池辺三山居士の書です...
山本笑月 「明治世相百話」
...左端の池辺にのぞんだ私たちに当てられた部屋には日光室もある...
横光利一 「夜の靴」
...落葉の静かな池辺によく似合った曲で...
横光利一 「夜の靴」
...池辺(ちへん)に亀首(かめくび)を曲げながら...
吉川英治 「江戸三国志」
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