...彼(あ)の池(いけ)を...
泉鏡太郎 「麻を刈る」
...尖の堅くなつてゐるのをいきなり硯池に突き込んで...
高濱虚子 「俳諧師」
...池の中へ群衆はひと溜まりもなく陥(お)ち込んでしまった...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...一肥後(ひご)の菊池家(きくちけ)に磯貝平太左衛門武行(いそがいへいたざえもんたけゆき)と云う武士があった...
田中貢太郎 「轆轤首」
...静かに湛(たた)えた池といおうか湖水といおうか...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「サレーダイン公爵の罪業」
...ドイツへ行ってリッケルトの門下となったように憶えているが(当時は村山も死んだ池谷信三郎も皆ドイツへ行った――マルクが馬鹿に安かったから)...
戸坂潤 「社会時評」
...池の岸に沿ってゆっくり足を運んだ...
豊島与志雄 「反抗」
...池が一つあるために庭中が凉しくなるような気がするのよ...
豊島与志雄 「掠奪せられたる男」
...奥庭の池のほとりに立っている自分を見出しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...「おや?」八五郎は早くも気が付いて池の後ろを指さしました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...鴻池可津(かつ)子がたった一度だけ着たというあれの連れなの...
久生十蘭 「姦(かしまし)」
...池田と五時に会ふ約束する...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...池田はその態度の...
宮嶋資夫 「恨なき殺人」
...池さんの細君との間が破れたのもこの頃でしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...抽斎は術を池田京水(いけだけいすい)に受けて記述したのである...
森鴎外 「渋江抽斎」
...家の主人は一里ばかり離れたところに大きな池があると教えてくれた...
山本禾太郎 「抱茗荷の説」
...すると、ほどへて、「おや?」とつぜん、彼は庭をななめに走って、池尻の木蔭に、身をかがめていた...
吉川英治 「私本太平記」
...本来、清洲会議での決議では、ここの京都政治所(まつりごとどころ)の閣臣(かくしん)は、柴田、丹羽、池田、羽柴の四人がひとしく庶政(しょせい)を宰(さい)することになっていて、決して、秀吉のみの中央舞台ではあり得ないのであるが、柴田は遠く越前にあって、もっぱら地方的勢力の結集と、岐阜や伊勢やまた、神戸信孝などと何やらの暗躍(あんやく)にせわしく、丹羽は坂本の近くにあっても、これはすでに秀吉に一切を一任のかたちでいるし、池田勝入は軍議ならともかく、庶政とか、公卿づきあいなどは、(本来、わが才に非ず)として、名目はあっても、関(かか)わらざるを潔(いさぎよ)しとしているような風であった...
吉川英治 「新書太閤記」
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