...江尻(えじり)あたりの海を見ながら...
芥川龍之介 「貝殼」
...すぐに江尻(えじり)へ引返(ひきかへ)して...
泉鏡太郎 「雨ふり」
...興津(おきつ)江尻まで聞えたもんだね...
泉鏡花 「婦系図」
...江尻も興津も直(じ)きそこだし...
泉鏡花 「婦系図」
...その一組が当河野家へ来揃うと、この時だけは道子と共に、一族残らず、乳母小間使と子守を交ぜて、ざっと五十人ばかりの人数で、両親(ふたおや)がついて、かねてこれがために、清水港(みなと)に、三保に近く、田子の浦、久能山、江尻はもとより、興津(おきつ)、清見(きよみ)寺などへ、ぶらりと散歩が出来ようという地を選んだ、宏大な別荘の設(もうけ)が有って、例年必ずそこへ避暑する...
泉鏡花 「婦系図」
...その、山の根を畝(うね)り、岩に躍り、渚(なぎさ)に飜(かえ)って、沖を高く中空に動けるは、我ここに天地の間に充満(みちみち)たり、何物の怪しき影ぞ、円(まどか)なる太陽(ひ)の光を蔽(おお)うやとて、大紅玉の悩める面(おもて)を、拭(ぬぐ)い洗わんと、苛立ち、悶(もだ)え、憤れる状(さま)があったが、日の午に近き頃(ころおい)には、まさにその力尽き、骨萎(な)えて、また如何(いかん)ともするあたわざる風情して、この流動せる大偉人は、波を伏せ※(しぶ)きを収めて、なよなよと拡げた蒼き綿のようになって、興津、江尻、清水をかけて、三保の岬、田子の浦、久能の浜に、音をも立てず倒れたのである...
泉鏡花 「婦系図」
...五江尻の宿へ泊った夜酔うて伏見の千両松淀の川瀬の小車は輪廻(りんね)々々と夜をこめてと...
直木三十五 「新訂雲母阪」
...「江尻で皆さんに逢いました...
直木三十五 「新訂雲母阪」
...」「江尻で?――今日明日にはこゝら辺を通る筈だが――」「お逢いなされても無駄で御座んす...
直木三十五 「新訂雲母阪」
...江尻(えじり)の宿の外(はず)れで名乗りかけることにしておいたのを...
中里介山 「大菩薩峠」
...五十八福井を出立した宇津木兵馬は、浅水、江尻、水落、長泉寺、鯖江、府中、今宿、脇本、さば波、湯の尾、今庄、板取――松本峠を越えて、中河、つばえ――それから柳(やな)ヶ瀬(せ)へ来て越前と近江の国境(くにざかい)...
中里介山 「大菩薩峠」
...江尻の宿女せし者の話に「また冬の夜は寝道具を貸すようにして貸さず...
南方熊楠 「十二支考」
...江尻で逃がしてしまった...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...駿河口の江尻(えじり)の城をあずけてあるその梅雪が...
吉川英治 「新書太閤記」
...その拠城(きょじょう)江尻を敵に委(い)したばかりか...
吉川英治 「新書太閤記」
...江尻の城でも聞いた...
吉川英治 「新書太閤記」
...夜ノ間ニ江尻ヲ立タセラレ...
吉川英治 「新書太閤記」
...さらに江尻から降りて三保の松原に到るあたりのことを書くべきであらうが...
若山牧水 「樹木とその葉」
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