...「そんなことを仰有って……今更あなたは、わたしだけに、罪をお被(かぶ)せになるつもりですか? あなたも同罪じゃありませんか! さ、早く、こいつらに言って、わたしの手錠を取らせて下さい! 汚らわしい、汚らわしい、こんなものを嵌(は)めて!」「黙れ、バカ女! 自分がドジを踏んで、ノメノメとこんな人間共を、案内しくさって! 今更貴様の騒ぎ立てるところが、どこにある!」瞋恚(しんい)と憎悪に燃えて、自分の夫人に対してまるで仇敵(きゅうてき)のごとき伯爵の眼であった...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...その汚らわしい人に頭下げて...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...おきらいなものを!」「ありません」「なぜないのです」「汚らわしいものは焼きすててしまいました」「いよいよですな...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...この汚らわしい豚野郎め』とお考えですね...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...どんな汚らわしい...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...その義理なるものは汚らわしい利害と大差ないものだと思った...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...京都ではまだ四ツ足だといって汚らわしいものとしていた...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...能登守の行いを汚らわしいものとして罵っていました...
中里介山 「大菩薩峠」
...汚らわしい者を妾にかかえたのみならず...
中里介山 「大菩薩峠」
...汚らわしいものよりも...
中里介山 「大菩薩峠」
...絶対清浄(せいじょう)であるはずの夫子が汚らわしい淫女に頭を下げたというだけで既に面白くない...
中島敦 「弟子」
...私がこんな汚らわしいことをしてるのも...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...汚らわしい! かの成吉思汗(ジンギスカン)め...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...こんな汚らわしいことをなされましたな...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...汚らわしい身を以って...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...汚らわしい情熱が...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...放しゃ! 汚らわしい!」「仕方がねえな――」と...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...汚らわしいものを暗示する...
三木清 「マルクス主義と唯物論」
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