...家(うち)の中から四十五六の汚らしい装(なり)をした...
石川啄木 「鳥影」
...其の前に見るも汚らしい老婆が立つて...
伊藤野枝 「白痴の母」
...あの片輪者の汚らしい夫婦に...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...三流町でも見られぬような汚らしい貧しげな服装(みなり)をしたお内儀(かみ)さん連中が...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...分けてもお前のお母(っか)さんと来たら不精で汚らしい...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...いっさんに中甲板まで駈(か)け上って、ほっとすると、あとから、老人の、不気味な声が、「こら、遠慮するなよ、わしの、この碧い、宝石のような眼を、おまえに与えるというのじゃ、その東洋人の、汚らしい眼と、取替えて見よう」陳君は、それには応えず、後甲板の方へ逃げた...
寺島柾史 「怪奇人造島」
...まるで汚らしいぼろ切れか蓆(むしろ)のような...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...古井戸の前には見るから汚らしい古手拭(ふるてぬぐい)が落ちて居た...
永井荷風 「狐」
...貧家のブリキ屋根は木立(こだち)の間に寺院と墓地の裏手を見せた向側の崖下にごたごたと重り合ってその間から折々汚らしい洗濯物をば風に閃(ひらめか)している...
永井荷風 「日和下駄」
...河岸に泊っている汚らしい船々の腹に塵芥がひたひたと寄せている...
中島敦 「狼疾記」
...汚らしい父親の膝へ...
野村胡堂 「悪人の娘」
...そこもまた無瑕(むきず)の壁で賽の目の入墨などという汚らしいものはありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...汚らしいフロックコートを羽織り...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...一種汚らしい美しさで...
堀辰雄 「美しい村」
...最初のうちは何んだかゴミゴミした汚らしい小家の台所の前などを右へ折れたり左へ折れたりしていたが...
堀辰雄 「三つの挿話」
...汚らしいガラス屋根の下には...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...私はあんな不愉快な汚らしいものといって...
柳田国男 「故郷七十年」
...それに歯まで黄色くて汚らしい...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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