...家の中から四十五六の汚らしい裝(なり)をした...
石川啄木 「鳥影」
...汚らしい家がある...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...すごく汚らしい一羽の雌鶏(めんどり)みたいな気さえして来て...
太宰治 「女生徒」
...わしどもにはとても見てえったってもあんなお美しい方にはお眼にも掛かれなかったわけですが」と茂十さんはちょうどそこへ珍しそうに出て来た十歳くらいの色黒々として洟(はな)を垂らした汚らしい子供を眺め眺め...
橘外男 「逗子物語」
...この女の汚らしい口容(くちつき)をみるのが厭な気持で...
徳田秋声 「足迹」
...まるで汚らしいぼろ切れか蓆(むしろ)のような...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...汚らしい乞食(こじき)の諄々(じゅんじゅん)として語る様子は...
野村胡堂 「悪人の娘」
...汚らしい西洋人を探し出してくれと頼みました...
野村胡堂 「呪の金剛石」
...「汚らしいですって! いいえ」公爵夫人が答えた...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...汚らしい赤と白の格子縞の布が垂れ下がっていた...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...一種汚らしい美しさで...
堀辰雄 「美しい村」
...最初のうちは何んだかゴミゴミした汚らしい小家の台所の前などを右へ折れたり左へ折れたりしていたが...
堀辰雄 「三つの挿話」
...汚らしい世の中の事なんか忘れて...
正宗白鳥 「新婚旅行」
...汚らしいガラス屋根の下には...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...又私のある友人が指導教授にお前は日本人にしては立派だとほめられたのを考え合せても一般にちぢこまった汚らしい者のように考えているのはたしかである...
森於菟 「屍体異変」
...私はあんな不愉快な汚らしいものといって...
柳田国男 「故郷七十年」
...花袋先生の「蒲団(ふとん)」の主人公が汚らしい蒲団を被(かぶ)って泣かれる辺(あたり)の男の心持はどうしても私どもに解り兼ねます...
与謝野晶子 「産屋物語」
...それに歯まで黄色くて汚らしい...
吉川英治 「忘れ残りの記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??