...家(うち)の中から四十五六の汚らしい装(なり)をした...
石川啄木 「鳥影」
...汚らしい芳公の母親に遇つたのでした...
伊藤野枝 「白痴の母」
...似たような汚らしい男であったが...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...あの片輪者の汚らしい夫婦に...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...汚らしい掘建小屋がごみごみと並ぶ迷宮だった...
ジョージ・オーウェル George Orwell The Creative CAT 訳 「象を撃つ」
...すごく汚らしい一羽の雌鶏(めんどり)みたいな気さえして来て...
太宰治 「女生徒」
...わしどもにはとても見てえったってもあんなお美しい方にはお眼にも掛かれなかったわけですが」と茂十さんはちょうどそこへ珍しそうに出て来た十歳くらいの色黒々として洟(はな)を垂らした汚らしい子供を眺め眺め...
橘外男 「逗子物語」
...パリのパンテオンの裏の方にコントル・スカルプという汚らしい辻がある...
辰野隆 「パリの散策」
...汚らしい香炉(こうろ)のようなものを取り出して来た...
徳田秋声 「爛」
...まるで汚らしいぼろ切れか蓆(むしろ)のような...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...汚らしいものを見るような気がした...
直木三十五 「南国太平記」
...古井戸の前には見るから汚らしい古手拭(ふるてぬぐい)が落ちて居た...
永井荷風 「狐」
...この汚らしい屋根の彼方(かなた)は...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...どちらを向いても汚らしいパン屑のちらばっているその上の光景がまるで人の眼から去らないような有様だったが...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...あなたがたの汚らしい世帯のまっただなかで授業をやるように...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...一臺の汚らしいタクシイが止つた...
堀辰雄 「X氏の手帳」
...その左側のせぎはずつと汚らしい雪で埋まつてゐる...
堀辰雄 「春日遲々」
...最初のうちは何んだかゴミゴミした汚らしい小家の台所の前などを右へ折れたり左へ折れたりしていたが...
堀辰雄 「三つの挿話」
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