...薄汚い二階へ案内された時にはヤレヤレ...
押川春浪補 「本州横断 痛快徒歩旅行」
...扇を腰に、がたがたと格子を開けると、汚い二階家の、上も下も、がらんとして、ジイと、ただ、招魂社辺の蝉の声が遠く沁込(しみこ)む、明放しの三間ばかり...
泉鏡花 「薄紅梅」
...それに汚い蓆を敷いただけ...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...今年は殆ど少しだけコレラに襲われたウォータールー・ロード第1は主として非常に汚い狭い道からなっていて...
ジョン・スノウ John Snow 水上茂樹訳 「コレラの伝染様式について」
...あの汚い河だが水に青ざめた影を落す並藏は...
竹久夢二 「砂がき」
...――汚い眞似をするな...
太宰治 「逆行」
...おついでの折は、汚い家ですが、お立ち寄り下さい...
太宰治 「酒ぎらい」
...更に思ひもかけぬ汚い狭い衰(おとろ)へた町を前に展(ひろ)げた...
田山花袋 「父の墓」
...「汚いことありゃしませんが」桂三郎は言った...
徳田秋声 「蒼白い月」
...祖母や母はこんな汚い所へ住まねばならぬかといって眉を顰めていた...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...廓者(くるわもの)の住んでいる汚い長屋の立ちつづいた間から...
永井荷風 「里の今昔」
...彼の今までいた所は北向きの湿っぽい臭(にお)いのする汚い室(へや)でした...
夏目漱石 「こころ」
...汚い素袷、春と言っても、日が暮れかかると却々(なかなか)の寒さですが、何も彼も叩き売られた後で、今の妙子には、これ一枚しか着物と言うものが残って居なかったのでしょう...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...汚い下男部屋の上がり框(かまち)に腰を下ろしてしまいました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...正面の汚い臺の上に載せた茶碗が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...口汚い言葉のほうが...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...辻一作は薄汚いバスケットを一つ提げて...
北條民雄 「道化芝居」
...そしたら、事務所と言うのは名ばかりで、まあ汚い飯場ね、そこの飯炊き――女中さんみたいなことをやらされていたらしい...
三好十郎 「樹氷」
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