...物を考へてゐるのにこんな薄汚いものがゐては厭だから追ひ歸したのだけれど...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...戰場に出ては汚いことをしないで...
竹越與三郎 「日本の眞の姿」
...あんな薄汚い婆でも...
太宰治 「嘘」
...「ひまはり」は小さくてしかも汚い...
太宰治 「逆行」
...利左はひどく汚い居酒屋へのこのこはいって行って...
太宰治 「新釈諸国噺」
...鶯の羽のやうな汚い青さで...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...薄汚い馬鹿者として遠ざけられてゐるのである...
太宰治 「津軽」
...外へ飛び出しては薄汚い茶店みたいなところに飛び込んで...
太宰治 「人間失格」
...張ったその胸を突き出して、硬い首を据(す)え、東京へ来てからまだ一度も鉄漿(かね)をつけたことのないような、歯の汚い口に、音をさせて飯を食っている母親の様子を、よく憎さげに真似してみせた父親の顔に思い合わせて、お庄は厭なような気がした...
徳田秋声 「足迹」
...お銀は笹村の蒲団の汚いことを言い出して笑った...
徳田秋声 「黴」
...汚い籠のまま鳩を贈ってしまった...
豊島与志雄 「理想の女」
...薄汚い袷を妙子はどんなに恥じたことでしょう...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...あの小汚い老爺(じじい)もどこかで見ましたよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...待って下さい」爺さんはそう言うと擦り切れた革の汚い紙入れを取り出した...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...そのため茶ん袋というものは汚い茶色になっていた...
柳田国男 「故郷七十年」
...」「汚いのは僕はちっともかまわないんだが...
横光利一 「上海」
...汚い! わしは知らんぞな...
横光利一 「南北」
...「おい、掻き込もうやないか、汚い...
横光利一 「南北」
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