...度々釣に出かけると、何だか知れないが、家の者に気兼するやうな風になツて、夜中に、女どもを起すでも無いと、自分独り起きて炊事することも有るですし、よし飯焚を為(し)ないにしても、朝飯とお弁当は、お冷でも善い、菜が無いなら、漬物だけでも苦しうない、といふ工合で、食ぱんのぽそ/\も、噎(むせ)ツたいと思はず、餌を撮(つま)んだ手で、お結(むす)びを持ツても、汚いとせず、極(ごく)構はず屋に成るから、内では大喜びです...
石井研堂 「元日の釣」
...法王に頼むが故に天主教徒は汚穢なる豕児(ぶたご)(Foul swine,ルーテルの語)なり...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...日当たりの悪いところには青ごけの生えたのが汚なく眼についた...
田山花袋 「田舎教師」
...ロンドンは薄汚い居酒屋や...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「青玉の十字架」
...書斎の敷物をマグネシウムの灰で汚したり...
寺田寅彦 「雑記(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...かなたには汚れの底になずみたる人の姿の見ゆるのみ」すすりなきの声が突然ミーチャの胸からほとばしり出た...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...最後に目に浮かぶものは汚穢である...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...そのうえ血と涙とに汚れた安右衛門の顔は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...この紙には何の汚れもなかった」「ヘエ――」「それだけならよい...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...これは又何んといふ汚れやうでせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...物干臺の草履(ざうり)に汚れはなく...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...汚れた手に財宝を掴むことが出来ん時には...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...そこら中に手あたり次第に汚点をつけながら...
堀辰雄 「恢復期」
...充足(みちた)りない薄汚い現実の世界よりも...
正宗白鳥 「軽井沢にて」
...汚れをいとわないとか...
宮本百合子 「新しい抵抗について」
...汚なくさえ感じた...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...ぜひなく汚しました」と...
吉川英治 「黒田如水」
...その時は仕事着のまゝの汚い風であつたのに...
若山牧水 「姉妹」
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