...それは何かを探し求めている眼であった...
田中貢太郎 「春心」
...それは主観の構成に過ぎないから吾々の求めている客観ではない...
戸坂潤 「範疇としての空間に就いて」
...一体僕は何を求めているんだろう? 自分でも分らないんだ...
豊島与志雄 「二つの途」
...だれも寝床を求めているのである...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...霧の中に追い求めているヨードル...
中井正一 「霧の中のヨードル」
...所長さんなら所長さんでいいじゃないか? 奥さんなら奥さんで構わぬのじゃないか? ――所長さんではかわいがることができないのか? 奥さんでは慰めることができないのか? ――お芝居はやめてちょうだい!真実!これこそ孤児が求めているもの...
永井隆 「この子を残して」
...酒のほかにしかるべき刺戟を求めているもののようであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...自由詩によって表現を求めている一派である...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...父親に対抗するための自分の助力をKに求めているのだ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...それはまるであの太っちょのシルヴィが毎朝空しく求めている魅力的な姿を自分自身には保証して見せるといわんばかりであった...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...何でも何か私の同意を求めているのに違いないから...
二葉亭四迷 「平凡」
...どんなにかお前の心の求めているような言葉をかけてやりたかったろう...
堀辰雄 「楡の家」
...この種の過ちだけは絶対にしないようにと求めているかのようである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ひたすら美のみを求めているのです...
柳宗悦 「民藝とは何か」
...各その一方を求めているのは想像に難くないことで...
吉川英治 「江戸三国志」
...自分から死を求めている証拠です...
吉川英治 「三国志」
...黄蓋の姿を水中に求めているまに...
吉川英治 「三国志」
...ひとつ成算(せいさん)を聞かしてもらいたいが」秀吉が求めているのは...
吉川英治 「新書太閤記」
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