...汀に立った彼の顔を...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...きれいな歯並みが笑いのさざ波のように口びるの汀(みぎわ)に寄せたり返したりした...
有島武郎 「或る女」
...汀に近い岩の上には...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...波を蹴(け)ちらしながら汀(なぎさ)の方へ歩きだした...
海野十三 「空襲警報」
...汀(みぎわ)から八丁ほど離れた頃(ころ)...
太宰治 「新釈諸国噺」
...白虎(びゃっこ)池の菖蒲(しょうぶ)の生えた汀(みぎわ)を行くところ...
谷崎潤一郎 「細雪」
...シャンヴルリー街で倒れてアンヴァリード橋近くのセーヌ川の汀(みぎわ)で警官から拾い上げられたとは...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...田口掬汀(たぐちきくてい)氏の『新声』等(とう)その勢力甚(はなはだ)盛なるあり...
永井荷風 「書かでもの記」
...ただ長汀長汀ですから...
中里介山 「大菩薩峠」
...文を探して、池の汀まで、お連れくださるわけにはまいりませんでしょうか」冬木は、うれしくなって、「それは、こちらから、おねがいしようかと思っておりましたことです……それで、門は、どちらの門から、お入れしましょうか」「ご念の入ったことで……今日は、表門(おもて)からではなく、裏の潜門(くぐり)からお入れくださいまして、池の乱杭石のあたりへおとめ置きねがいます」「時刻は、何時といたしましょうか」「只今、七時でございますから、正十時ということに」「たしかに、承りました」芦の葉先が雲(くも)のようにもやい、茫々とした池の面が、薄光りながら鱗波(うろこなみ)をたてている...
久生十蘭 「西林図」
...汀の石に腰を降して鯉を眺めてゐる竹下に呼びかけた...
牧野信一 「南風譜」
...汀(みぎわ)に下りたら蟹(かに)が大騒ぎで遁(に)げまどって面白かった...
山本周五郎 「青べか日記」
...虹汀(こうてい)様が自分でお描(か)きになったという襖の絵や...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...汀(なぎさ)のさざ波である...
吉川英治 「折々の記」
...こんなに黄色いのか?)汀(みぎわ)の水を...
吉川英治 「三国志」
...汀(なぎさ)の戦いは...
吉川英治 「私本太平記」
...池の汀(みぎわ)に群れ咲いているように...
吉川英治 「新書太閤記」
...そして東と北との側には汀から極めてなだらかな傾斜が高まり行き...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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