...小川(をがは)や溝や淺沼の汀(みぎは)の草にもわけてやる...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...石榴(ざくろ)が花を着けている鉢前(はちまえ)のあたりから那智黒(なちぐろ)石を敷き詰めた汀(みぎわ)へかけて...
谷崎潤一郎 「細雪」
...汀居往訪、全不在だつた、句集を置いて戻つた...
種田山頭火 「一草庵日記」
...汀(みぎわ)へ行って浅瀬でぼちゃぼちゃしたりしている間を...
田山花袋 「田舎教師」
...駈けり狂うて汀をめぐる...
寺田寅彦 「ある幻想曲の序」
...馬車は水飲み場の傾斜をおりて汀(みぎわ)までやってき...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...汀(みぎわ)にひとふさの木の実がおちていた...
中勘助 「島守」
...襖の絵は石田幽汀(いしだゆうてい)の筆...
中里介山 「大菩薩峠」
...汀(みぎわ)の砂地を踏み締めて...
中里介山 「大菩薩峠」
...苦笑しながら汀に佇んでおりますると...
久生十蘭 「魔都」
...「杜松子さんは」「庭を見るって」なるほど池の汀の萩の間でうらうらとした杜松子の後姿が見えていた...
久生十蘭 「ユモレスク」
...私は、流れに向つて、つたへよや、かの窓に屯ろする人々に――涼風夜雨を吹き蕭瑟として寒林を動かせりなどゝ歌つて、切りに復讐の体操を続けてゐたが、汀を眺めると、恰度寝椅子に似たかたちの石に鳥のやうにその身を横へて、私の体操の終るのを待つてゐるお雪が、水鏡に凝つと視入つてゐた...
牧野信一 「ダニューヴの花嫁」
...霜さゆる汀(みぎは)の千鳥うちわびて鳴く音(ね)悲しき朝ぼらけかなこれをただ言葉のようにして言った...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...汀の小石に輕く打ち當たつて碎けてゐた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...汀(なぎさ)のさざ波である...
吉川英治 「折々の記」
...こんなに黄色いのか?)汀(みぎわ)の水を...
吉川英治 「三国志」
...はやお船出のさいにはございますなれど」「汀(なぎさ)では...
吉川英治 「私本太平記」
...このあたりの汀(なぎさ)にたくさんいる鳰(にお)であった...
吉川英治 「新書太閤記」
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