...今は長汀(ちやうてい)の波に漂(たゞよ)ひ...
高山樗牛 「瀧口入道」
...そのうちに一行の一人が汀(みぎわ)の水草に流れかかっている櫛を見つけた...
田中貢太郎 「蟹の怪」
...楕円形を成した汀の床のところ/″\には...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...先刻植込みの間だの池の汀(みぎわ)だのにあんなに沢山きらめいていた蛍が...
谷崎潤一郎 「細雪」
...一つはそのまゝに北に走り一つは本來の比良山脈と殆ど直角を成して湖岸に迫り山崖が汀に突出してゐる處がそれである...
近松秋江 「湖光島影」
...浅き汀(みぎわ)に簾様(すだれよう)のもの立て廻せるは漁(すなど)りの業(わざ)なるべし...
寺田寅彦 「東上記」
...汀がちょろめき、葦がゆれ、やがて木の葉が蝉の翅(はね)のようにふるえて鳴りはじめる...
中勘助 「島守」
...それをよく見ようとしてぼさのなかを汀づたいにゆこうとしたら足もとから小鴨が飛びたった...
中勘助 「島守」
...さら/\と輕くさし引く波が其赤い莖のもとへ刺し込んでは來ないかと思ふ程汀に近い畑である...
長塚節 「佐渡が島」
...汀について小山の裾を廻つて坂になる...
長塚節 「白甜瓜」
...その裾野がイオニア海に滑り込んで幾つもの長汀曲浦を造っているのが瞬間ごとにより広く見晴るかせるようになって行くのが愉快だった...
野上豊一郎 「エトナ」
...手前らもそのあとについて池の汀まで参り...
久生十蘭 「魔都」
...さういはれてみるとさういふ気のする(それ迄気がつかなかつたが)冬の夕暮の汀の景色であつた...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...私は、流れに向つて、つたへよや、かの窓に屯ろする人々に――涼風夜雨を吹き蕭瑟として寒林を動かせりなどゝ歌つて、切りに復讐の体操を続けてゐたが、汀を眺めると、恰度寝椅子に似たかたちの石に鳥のやうにその身を横へて、私の体操の終るのを待つてゐるお雪が、水鏡に凝つと視入つてゐた...
牧野信一 「ダニューヴの花嫁」
...雪太郎の妹のお雪が歌ひながら汀にしやがんで藻草を掬つてゐるのだ...
牧野信一 「沼辺より」
...宇治川の汀(みぎわ)の氷を踏み鳴らす馬の足音すらも宮のお心を悲しませた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...水底にいわゆる可怜小汀(うましをはま)の真砂(まさご)を踏んだと説く場合もある...
柳田国男 「海上の道」
...虹の松原に因(ちな)んで名を虹汀(こうてい)と改め...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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