...若くは星々に守られた静かな夜、若くは海の汀、私の聞き知つたあの皺がれ声でさゝやく波...
有島武郎 「運命と人」
...長汀曲浦ゆきつくして...
大町桂月 「北總の十六島」
...それでも山下の村々はこの靜かな山の裾に平和に棲息してゐると思はれて眼の醒めるやうな山麓の青草と緑樹に埋れて汀を綴つて人家が斷續してゐる...
近松秋江 「湖光島影」
...汀(みぎわ)から岸の頂まで斜めに渡したコンクリートの細長い建造物も何の目的とも私には分らないだけにさらにそういう感じを助長した...
寺田寅彦 「雑記(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...すぐ眼の下の汀(みぎわ)に葉蘭(はらん)のような形をした草が一面に生えているが...
寺田寅彦 「夢」
...やがて汀(みぎわ)に持ち出して水ながら湖にうつして仕舞って...
徳冨蘆花 「漁師の娘」
...汀(なぎさ)から二間と隔たらない所...
中島敦 「環礁」
...一汀煙雨杏花寒とか...
中島敦 「環礁」
...松風は『いざいざ汐を汲まんとて汀に満干の汐衣の』と歌つて村雨と向き合ふ...
野口米次郎 「能楽論」
...汀石(みぎいし)は根入りが深く...
久生十蘭 「西林図」
...池の汀に紅葉した白膠木(ぬるで)が一本あるだけで...
久生十蘭 「西林図」
...汀づたいに噴水の傍までやって行くと...
久生十蘭 「魔都」
...「杜松子さんは」「庭を見るって」なるほど池の汀の萩の間でうらうらとした杜松子の後姿が見えていた...
久生十蘭 「ユモレスク」
...汀の野花をひきちぎつては...
牧野信一 「ダニューヴの花嫁」
...庭のすぐ向ふに寄せては返す汀を見た...
正岡容 「山の手歳事記」
...四辺の山影をうつした宇治川の汀(みぎわ)の氷に宿っている月が美しく見えた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...虹汀(こうてい)様が自分でお描(か)きになったという襖の絵や...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...汀(なぎさ)へ跳ぶと...
吉川英治 「新・水滸伝」
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