...急に二三歩汀を去ると...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...艫を海岸のほうに向けかえてだんだんと汀(みぎわ)に近寄って行く...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...一彎の長汀ただ寂寞として...
石川啄木 「漂泊」
...春汀の弟良太氏に...
大町桂月 「十和田湖」
...長汀曲浦ゆきつくして...
大町桂月 「北總の十六島」
...楕円形を成した汀の床のところ/″\には...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...彼方の叢(くさむら)や此方の汀(みぎわ)へ移って行った...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...池の汀(みぎわ)の巨大なる松の樹は...
中里介山 「大菩薩峠」
...朝草刈秋の田のかくめる湖の眞上には鱗なす雲ながく棚引く武藏野の秋田は濶し椋鳥の筑波嶺さして空に消につゝ(道灌山遠望)豆(さゝげ)干す庭の筵に森の木のかげる夕に飛ぶ赤蜻蛉水泡よる汀に赤き蓼の穗に去りて又來るおはぐろ蜻蛉秋の日は水引草の穗に立ちて既に長けど暑き此頃科野路は蕎麥さく山を辿りきて諏訪の湖邊に暑し此日は秣刈り霧深山をかへり來て垣根にうれし月見草の花同第二會七日...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...汀(みぎは)に沿ひて...
中原中也 「山羊の歌」
...ぢき近くの海の汀(なぎさ)へ下りていつた...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...一人で汀の方へゆつくりゆつくり歩いて行つた...
林芙美子 「幸福の彼方」
...文を探して、池の汀まで、お連れくださるわけにはまいりませんでしょうか」冬木は、うれしくなって、「それは、こちらから、おねがいしようかと思っておりましたことです……それで、門は、どちらの門から、お入れしましょうか」「ご念の入ったことで……今日は、表門(おもて)からではなく、裏の潜門(くぐり)からお入れくださいまして、池の乱杭石のあたりへおとめ置きねがいます」「時刻は、何時といたしましょうか」「只今、七時でございますから、正十時ということに」「たしかに、承りました」芦の葉先が雲(くも)のようにもやい、茫々とした池の面が、薄光りながら鱗波(うろこなみ)をたてている...
久生十蘭 「西林図」
...苦笑しながら汀に佇んでおりますると...
久生十蘭 「魔都」
...雪太郎の妹のお雪が歌ひながら汀にしやがんで藻草を掬つてゐるのだ...
牧野信一 「沼辺より」
...私(わたくし)たちはそれを汀(みぎわ)まで持(も)って行って洗(あら)いそれからそっと新聞紙に包(つつ)みました...
宮沢賢治 「イギリス海岸」
...虹汀此の所の形相(けいそう)を見て思ふやう...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...友人の田口掬汀氏などの發意で...
吉川英治 「折々の記」
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