...それにしてもあの離座敷は! 夜も水鶏(くひな)の啼く声の絶えないあの離座敷は! そこで始めて私はその本家の娘といふかの女を見たのではなかつたか...
田山録弥 「あさぢ沼」
...水鶏(くひな)の声――嘴を半ば水の中に入れて雄を呼ぶといふ雌の啼声...
田山録弥 「あさぢ沼」
...榛(はん)の根の枯草からは水鶏(くいな)が羽音高く驚き立った...
田山花袋 「田舎教師」
...これは時鳥や水鶏が呼び出した夢であろう...
寺田寅彦 「浅間山麓より」
...星野温泉の宿の池に毎朝水鶏(くいな)が来て鳴く...
寺田寅彦 「軽井沢」
...この水鶏が鳴いてからしばらくするとほととぎすが鳴いて通る...
寺田寅彦 「軽井沢」
...湯川の沢の蘆原の中で水鶏が鳴いていた...
寺田寅彦 「軽井沢」
...やがて水鶏の声はぱったり途絶えてしまって...
寺田寅彦 「軽井沢」
...水鶏の鳴くのはやはり伴侶を呼ぶのであろう...
寺田寅彦 「軽井沢」
...五月雨(さみだれ)の夜にコト/\叩(たた)く水鶏(くいな)の宿にもなる...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...水鶏(くいな)の棲家(すみか)になる...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...水鶏(くいな)だって...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...(明治三十一年三月二十日)二蚊遣火(かやりび)の煙にとざす草の庵(いお)を人しも訪はば水鶏(くいな)聞かせむこの歌句法ととのはず...
正岡子規 「人々に答ふ」
...菜の花やついと水鶏のかくれたるかくいひし句の表は知らず...
三好達治 「測量船拾遺」
...御隠殿下(ごいんでんした)であろう」「あすこに見えるのが水鶏橋(くいなばし)で……...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...「うまくあたった!」水鶏橋の袂へ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...水鶏橋(くいなばし)のほうから一人...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...「閨(ねや)の戸叩く水鶏(くいな)」...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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