...闇の夜に顏も見得ず別れて終つたやうな氣がしてならない...
伊藤左千夫 「奈々子」
...」女はこちらの特別な高笑ひが餘ほど氣になつてゐたのであつた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...體十一貫と稱する元氣はあつた...
小穴隆一 「二つの繪」
...茲に氣の毒なるは...
大町桂月 「國府臺」
...將軍は多くの司令官の中でも最も氣短かな人物だつたが...
スティーヴンスン 佐藤緑葉訳 「帽子箱の話」
...佐治君を見ると自分は折角養ひ得た氣力が滅入る樣な心持がしてならぬ...
長塚節 「教師」
...又(また)本氣(ほんき)とも聞(き)いた...
夏目漱石 「門」
...財布や箪笥へは入らない――さすがに兄哥(あにき)はうまいところに氣が付いたね...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「そいつは氣の毒だ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...浮氣つぽい内儀(かみ)さんが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...平次が乘氣にならなかつたのも無理のないことでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...氣輕で親切で」「それが術(て)だ」「音も立てずにどうして殺したんでせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...久兵衞旦那の娘のお絹さんを殺す氣になりました」「ほかの三人の女に怪我をさしたのは?」「あれはやり過ぎだつた...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...しかし彼は今やこの空氣の壓縮から破裂したのだ...
萩原朔太郎 「中央亭騷動事件(實録)」
...十一月の寒々とした氣配が...
林芙美子 「崩浪亭主人」
...妄(やたら)と氣が燥(いら)ツき出す...
三島霜川 「解剖室」
...夫人は些つとも氣づかずに髮を拭き上げてゐました...
室生犀星 「帆の世界」
...遙かに狹隘なことが明白にわかるやうな氣がする...
吉川英治 「折々の記」
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